LINE公式アカウントを活用した「デジタルポイント」導入は、低コストで集客を改善できる有効な方法です。
この記事では、
・商店街でデジタルポイントを導入する方法
・実際の運用イメージ
・成功させるポイント
をわかりやすく解説します。

目次
1 商店街でデジタルポイントが必要な理由
現在、多くの商店街が抱えている課題は以下の通りです。
①来店客の減少
②高齢化による購買力の低下
③大型店との競争
このような課題に対して、
「来店のきっかけを作る仕組み」が必要になります。
そこで有効なのが
「デジタルポイント制度」です。
2 導入の方法と運用の基本
(1) 最も適した方法は
50店舗程度の規模の商店街で商店街共通ポイントを事務局が一元管理するのであれば、次の方法が最適です。
① LINE公式アカウントと連携
② 各種のポイント機能などを簡単なアプリ(ミニアプリ)により作成
この二つが中小規模の商店街にとっては使いやすく対費用効果が優れた構築方法と言えます。
ここでは、商店街がLINE公式アカウントを開設してこれにミニアプリを連携してデジタルポイント利用できる仕組み・運用について説明します。
◆LINE公式アカウントを使うメリット
LINE公式アカウントを使う最大のメリットは、
誰でも使えることです。
主なメリットとして次が挙げられます。
①スマホがあれば使える
②アプリを新しく入れる必要がない
③高齢者でも比較的使いやすい
④情報配信(クーポン、お知らせ)ができる
など商店街との相性が非常に良いツールです。
(2) 運用の基本
デジタルポイント運用のイメージとして、
①来店
↓
②QRコードを読み取る
↓
③ポイント付与
↓
④ポイント利用
と、とてもシンプルです。
さらにデジタルポイント運用の基本は次のようになります。」
①会員登録 商店街のLINE公式アカウントから登録
②会員証 会員QRコードをスマホに表示
③加盟店 店舗専用QRコードを設置
④ポイント付与 購入金額に応じて自動で付与(例:100円で1ポイント)
⑤5イント利用 1ポイント=1円として加盟店共通で利用可能
⑥利用履歴 利用者、店舗ともスマホで確認可能
⑦管理 商店街事務局が加盟全店舗の利用状況を管理
(3) 商店街共通のルール
商店街加盟全店舗に運用にバラツキが出ないよう次のような 商店街全体の共通ルールを定めておきます。
①レート (例) 1ポイント 1円
レートとはポイントの価値のことで、お客様がポイントで買い物をした時の値引き額のこと
※各店舗共通とし、例外を作ると混乱のもとになる
②付与ポイント (例) 100円で1ポイント
付与ポイントとはお客様が買い物をした時に店舗が付けるポイント
※商店外でのキャンペーン時などには変動させることがある。
③利用時のルール・制限
・ポイントで不足する分は現金での支払いOK
・お釣りは出さない
・1回の会計での使用上限
(例) 1回の会計で使用できるのは支払額の50%まで
・最低利用単位
(例) 1ポイント単位または100ポイント単位
・ポイント対象外商品を設定
(例) たばこ、金券、一部のサービスなど
・有効期限
(例) 半年~1年
・決済後、店舗側がボタンで利用確定する
※後処理は禁止
④精算のルール
・月末締め、翌月〇〇支払い
⑤取消・修正のルール
・当日中、事務局でのみ修正可能
※店舗側が修正しない
3 LINE公式アカウントの開設
デジタルポイントシステムをスマホで使えるようにするため、専用のアプリをLINE公式アカウントを紐づけます。
利用者はLINE公式アカウントのリッチメニューの各項目からアプリで作成された内容を確認することになります。
(1) 商店街のLINE公式アカウントを開設する
まず、商店街のLINE公式アカウントを開設します。
◆LINE公式アカウントの開設方法
⇒ 商店街のLINE公式アカウントの作成/アカウントの作成から運用までのポイント
(2)「リッチメニュー」に次の項目を設定
・ポイント残高
・QR読み取り
・クーポン情報
・店舗一覧
・イベント情報
・使い方
<リッチメニューの例>

※お客様のスマホに表示されるリッチメニューの例
(3)アプリを作成し、「リッチメニュー」に連携
LINE公式アカウントのリッチメニューの項目をアプリで作成することになります。
アプリで作成する項目と内容は次の通りです。
① ポイント残高
利用者ごとのポイントデータが確認できます。
・現在のポイント残高
・利用履歴
・ポイント獲得履歴
・有効期限の表示
・会員のQRコードの表示
② QR読み取り
店舗でポイントの付与、利用の際に店舗のQRコードを読み取ります。
・店舗のQRコード読み取り
↓
・買物をした時のポイント付与
・買い物時にポイントを利用
・来店時のスタンプ
・イベント参加記録
③ クーポン情報
商店街共通や店舗別のクーポン情報
・クーポン一覧
・使用済みクーポンの管理
・利用期限の表示
・プッシュ通知との連携
※プッシュ通知とは:アプリに登録されているクーポン情報を、LINE公式アカウントのメッセージ配信
機能と連動させて利用者へ下記<例>のような情報を自動的に知らせる仕組み
<例>
・ 商店街共通100円引き
・ ○○店限定 10%OFF
・誕生日限定
④ 店舗一覧
商店街の各店舗の案内を行います。
・加盟店一覧表示
・店舗検索機能
・業種別店舗表示
・店舗の位置図表示
・営業時間の表示
・電話発信機能
<内容>
・店舗の写真
・取扱商品
・SNSへのリンク
・ おすすめの商
⑤ イベント情報
商店街のイベントなどの情報を発信します。
・イベントのカレンダー
・イベント参加申し込み・受付
・抽選会への参加
・デジタルスタンプラリー
<内容 (例)>
・ 夏祭り
・ ハロウィンイベント
・年末大売り出し
・プレミアム付き商品券の発行
⑥ 使い方
利用者に向けてのデジタルポイントシステムの使い方の(使用マニュアル)の説明です。
・会員登録方法
・ポイントの利用方法
・Q&A
・お問い合わせ
4 最適なアプリ
小中規模の商店街でのLINE公式アカウントと連携したデジタルポイントシステムのアプリはいわゆる「ミニアプリ」と呼ばれる「ノーコード型」が対費用効果の面で最適です。
※ノーコード型とは:いちからプログラミングするのではなく、すでにあるソフトウエアーを使い
アプリ を作成する方法
ノーコード型のソフトウエアーは現在、6種類程度あるが、50店舗程度の中小規模商店街でLINE公式アカウントと連携して使うデジタルポイントシステムでは次のノーコード型が合います。
⇒ Lメンバーズカード
⇒ MINI APPLI MAKER
ただし「MINI APPLI MAKER」はセミオーダーで作ることになり、アプリ作成の自由度は高くなり、それにつれて費用も高くなります。
(1) アプリの作成費用
上記の二つのアプリの作成、月額費用などを比較するとつぎのようになります。

◆初期費用の内容

※ミニアプリの申請代行とは
LINE連携アプリは勝手に公開はできないことからLINE側の審査を受けなければならない
ため、この審査に必要な、アプリの内容、利用規約、プライバシーポリシー、
画面イメージ、LINE公式アカウント情報などを添えての審査申請を代行するもの
「MINI APPLI MAKER」は価格が高いだけ初期設定項目が充実しているが、商店街によっては“ここまでは望まない”というのであれば、「Lメンバーズカード」から始めるのがいいでしょう。
5 デジタルポイントの利用・運用方法
商店街が共通のデジタルポイントシステムを構築した場合におけるお客さんの利用方法、店舗側の対応方法、商店街事務局の運営・管理方法などについて説明します。
(1)ポイント付与、利用のフロー
お客様が来店してデジタルポイントを貯めたり使ったりするフローは以下のようになります。
◆初めて来店したときの流れ
① 初回来店
↓
② 「ポイントを貯めますか?」とご案内
↓
③ 店頭のQRコードからLINE公式アカウントで友だち追加
↓
④ ミニアプリで会員登録
↓
⑤ 会員QRコードが発行される
↓
⑥ レジで会員QRコードを提示
↓
⑦ 店舗がQRコードを読み取り
↓
⑧ 購入金額を入力 (店舗側)
↓
⑨ ポイント付与
◆ポイント付与の流れ
① 商品を購入
↓
② お客様が会員QRコードを提示
↓
③ 店舗が会員QRコードを読み取る
↓
④ 購入金額を入力
↓
⑤ システムが付与ポイントを自動計算
↓
⑥ 店舗が内容を確認して確定
↓
⑦ ポイント付与完了
↓
⑧ お客様のポイント残高を更新
◆ポイント利用の流れ
① 商品を購入
↓
② 「ポイントを使います」と伝える
↓
③ 店舗が会員QRコードを読み取る
↓
④ 現在のポイント残高を確認
↓
⑤ 利用するポイント数を入力 (店舗側が入力)
↓
⑥ お客様が内容を確認
↓
⑦ ポイントを差し引いて決済完了
↓
⑧ 残高を表示
(2) ポイントの換金方法
お客様が買い物をしたとき、ポイントで支払った場合や店側がポイントを付与した場合の
お金の流れを整理します。
①ポイント利用、付与の仕組み
<例>
・お客様が1000円の商品を300ポイントで支払い
(1ポイント=1円)
この時点で店側は300円分を受け取ったことになる
・店舗がお客様に10ポイント付与
(お買い上げ額100円=10ポイント)
この時点でお客さんのポイントに10ポイント加算したことになる
②店舗への換金
<例>
1カ月間または1週間
・付与ポイント=2500ポイント
・利用ポイント=1800ポイント
この場合、利用された1800ポイント分の1800円を商店街事務局が店舗に支払う。
③ポイントの精算方法
商店街の事務局では、全店舗の付与ポイントと利用ポイントを逐一集計し、各店舗で利用されたポイントに応じた換金・精算を行います。
清算のサイクルは、
・月1回
・月2回
・週1回
などが一般的であるが、商店街共通のルールとして決めておきます。
(3)ポイントの原資
各店舗がお客さんに付与した付与したポイントが必ず使われることを想定して、商店街ではそのポイントに応じた原資を確保しておく必要があります。
例えば、
100円で1ポイント(還元率1%)とした場合、商店街全体で月間売上が1000万円あれば、付与するポイントは10万ポイント(10万円相当)が必要になります。
この付与ポイント10万円の負担をどのようにするかをあらかじめ決めておく必要があります。
この原資の負担方法にはいくつかありますが、主な方法として次の方法が挙げられます。
・加盟店が負担する
・商店街として共同負担する
また、自治体の補助金が使える場合には、これを活用する方法もあります。
いずれにしてもポイント事業を行うことになれば、最初に商店街全体でのルールとして決めておかなければならない大切なものです。
(4) 商店街の役目
商店街と個店が共同でデジタルポイント事業を行う上で、商店街が担うべき役割として重要なのは、個店単位ではできない運用・お金の管理・利用の促進・店舗、お客様の窓口対応で次のようなシステム全体の管理を行います。
・共通の仕組みを作る
・お金の管理を行う
・店舗・お客様対応
・イベント開催を企画し実施する
①共通の仕組みをつくる
デジタルポイント事業を行う上での共通のルールーのようなもので、重要な決め事になります。
・1ポイント = 何円
・ポイント付与率 = 購入金額の何%
・利用上限 ・有効期
②お金の管理
店舗ごとの利用が確定した時点で、システムにより自動集計が行われ、事務局が確認後清算を行うのが最も確実な方法で、人の手による集計は間違いのもとになります。
・店が利用確定ボタンを押す
・データがシステムにより記録される
・店舗ごとに自動集計
LINEミニアプリが最適でリアルタイムで確認ができる
・事務局が確認後、精算
③店舗対応
デジタルポイント事業は商店街として、各店舗共通の仕様で同じ操作を行うことが重要になります。 そのためには、次の対応が必要です。
・システム全般の操作説明
・使い方の統一
さらに、次のような店舗とお客様からのトラブル、苦情等の対応を行います。
・ポイントが付かない
・システムが使えない
・操作ミスが生じた
④イベント開催を企画し実施する
デジタルポイント事業を始めて軌道に乗ると、より多くのお客様にに使ってもらうために次の仕掛けを行います。
・ポイント2倍、3倍週間
・商店街のイベント参加者への特典
・LINE、SNSを使った特典配信
6 まとめ
商店街が行うデジタルポイント事業は、スマートフォンを利用してポイントを付与・利用する仕組みです。
その目的として、商店街への来街者促進・回遊性向上、リピーターの獲得を図り、商店街全体の活性化とデジタル化を推進するところにあります。
取り組みの基本として、先ず商店街のLINE公式アカウントを開設し、これにミニアプリや専用アプリを連携させることにより、店舗を訪れたお客様がスマホで店舗のQRコードを読み取ることによりポイントを利用したり、ポイントの付与を受けることができ、いつでも自身のポイント残額が確認でき、 店舗側としては、お客様のスマホと店舗のスマホまたはタブレットでお互いのQRコードを確認しあうことで決済が行え、ポイントの更新ができるという仕組みになります。
本システムの運用・管理は商店街事務局が担うことになり、その主な内容として、
・ポイントの設定
・ポイント利用、残額の管理
・店舗への清算金の振込
・トラブル対応
などがありますが、その他に店舗への操作説明、お客様から苦情対応などがあげられます。
商店街共通のデジタルポイント事業であることから、全加盟店舗がスムーズに本システムを使えるよう商店街事務局が常に目配せをし、共通の目的達成のため一丸となって進めてゆくことがこの事業の成否を分けることになります。

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