「近くに大型スーパーや衣料品の量販店ができて、お客様が減ってきた……」
まちの洋品店の経営者から、このような悩みを聞くことがあります。
量販店は、豊富な品揃えと低価格、そして大きな広告力を持っています。小さな洋品店が、同じ商品を同じような方法で販売していては、価格競争に巻き込まれてしまいます。
では、まちの洋品店には量販店に勝てるところがないのでしょうか。
決してそんなことはありません。
むしろ、小さな店だからこそできることがあります。
その最大の武器となるのが、「人」と「地域」と「きめ細かなサービス」です。

目次
1 量販店と同じ土俵で戦わない
まちの洋品店がまず考えたいのは、「量販店より安く売る」という発想から離れることです。
量販店は、大量仕入れによる低価格、豊富な商品、全国的な広告などを強みにしています。
小さな洋品店がこれらをそのまま真似するのは簡単ではありません。
そこで大切なのが、量販店とは違う価値を提供することです。
例えば、
・「このお客様には、この色が似合いそう」
・「以前購入された服に合わせるなら、この商品がおすすめ」
・「この服は着やすくて、お手入れもしやすいですよ」
といった、一人ひとりに合わせた接客です。
これは、商品を並べて販売するだけの量販店ではできません。
2「顔が見える接客」は大きな武器
まちの洋品店には、店主やスタッフとお客様との距離が近いという大きな特徴があります。
長年通っているお客様なら、好みの色やサイズ、普段の服装まで分かっていることもあります。
「○○さんなら、この色がお好きだと思っていました」
そんな一言が、お客様にとってはうれしいものです。
単に服を販売しているのではなく、「自分に合う服を一緒に選んでくれる店」になることができます。
これは価格だけでは比較できない価値です。
3「品揃えが多い」は「買いやすい」とは限らない
量販店には、多くの商品が並んでいます。
しかし、商品が多すぎると、「どれを選べばいいのか分からない」ということもあります。
まちの洋品店ではどうでしょうか
・「今の季節なら、この3点がおすすめです」
・「普段使いなら、こちらのほうが着やすいですよ」
・「このパンツなら、こちらの上着が合わせやすいですよ」
というように、お客様の商品選びをサポートすることができるのです。
品揃えの多さではなく、「選びやすさ」で勝負することができます。
4 高齢のお客様にとって「安心して買える店」は強い
地域の洋品店にとって、高齢のお客様への対応も重要なポイントです。
例えば、
・サイズ選びを手伝う
・試着をすすめる
・着やすい商品を提案する
・裾上げなどの相談に対応する
・電話で商品の取り置きをする
・必要に応じて商品を届ける
など、ちょっとしたサービスが量販店との大きな違いになります。
高齢のお客様にとっては、単純な「安さ」だけではなく、「安心して買える」「相談できる」ことが重要になる場合があります。
「この店なら安心して相談できる」
そう思ってもらえれば、それは量販店にはない大きな強みになります。
5 地域とのつながりは簡単には真似できない
まちの洋品店には、地域のお客様との長年の付き合いがあります。
商店街や地域のイベントに参加したり、近所のお客様と日常的に会話したりすることも
あるでしょう。
こうした関係は、短期間でつくれるものではありません。
「買い物をするためだけに行く店」ではなく、
・「行けば店主と話ができる店」
・「地域の情報が集まる店」
・「ちょっと相談できる店」
になることができれば、店の存在価値は大きく変わります。
6 小さな店だからこそ「小回り」が利く
大きなチェーン店などの量販店では、店舗独自の判断で商品構成やサービスを大きく変えることが難しい場合があります。
一方、まちの洋品店なら、
・「お客様からこんな商品が欲しいと言われた」
・「この年代のお客様に、この商品が人気だった」
・「今年はこの色の商品が売れそうだ」
といった現場の声を、仕入れや販売にすぐ反映できます。
このように地域のお客様に合わせて店を変えていけるのもまちの洋品店の強みになります。
7 「服を売る店」から「服選びを楽しむ店」へ
これからのまちの洋品店に求められるのは、単に服を販売することだけではないのかも
しれません。
・「この前買っていただいた服、着心地はいかがでしたか?」
・「秋物が入ってきました。○○さんに似合いそうなものがありますよ」
そんな会話から、新しい商品との出会いが生まれます。
このように「服を買う場所」から「服を選ぶことを楽しむ場所」へ変換していくことが
大切です。
8 まとめ
まちの洋品店が量販店に勝つというのは、量販店より安く商品を販売することではありません。
むしろ、量販店とは違う価値を提供することです。
量販店が「安さ」「品揃え」「便利さ」を強みにするなら、まちの洋品店は、
「接客」「信頼」「相談」「地域とのつながり」「きめ細かなサービス」を強みにするという
この違いをはっきりさせることが大切です。
まちの洋品店が最終的に目指したいのは、
「この商品が安いから買う」だけではなく、
・「この店で相談したい」
・「この店主から買いたい」
・「この店に行けば安心する」
と思ってもらえる店です。
商品そのものだけではなく、「この店で買う理由」をつくることが、これからのまちの洋品店にとって重要になります。
量販店には、規模や価格ではかなわないかもしれません。
しかし、お客様一人ひとりとの関係を大切にし、地域に必要とされる店になることなら、
小さな洋品店にも十分できます。
これからのまちの洋品店は、量販店と同じ土俵で競争するのではなく、「人に選ばれる店」
「地域に必要とされる店」を目指すことが、経営を続けていくための大きなポイントになるでしょう。

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