まちの小売店が大型店・ネット通販に負けない方法/価格競争をしない店づくり

「近くに大型スーパーができて、お客さんが減った」
「ネット通販で簡単に商品を買えるようになり、以前より売上が落ちた」
「大手のお店は価格が安く、とても競争できない……」

まちの小売店を経営していると、このような悩みを感じることがあるのではないでしょうか。
確かに、大型店やネット通販には、品揃え、価格、営業時間、利便性などの面で大きな強みがあります。
しかし、だからといって、まちの小売店に勝ち目がないわけではありません。
むしろ、大型店やネット通販にはできないことに力を集中することが、これからの小売店には重要になってきます。

ここでは、まちの小売店が大型店・ネット通販と価格競争をせずに、お客さんから選ばれるための方法を考えてみます。

大型店・ネット通販と同じ土俵で戦わない

まず大切なのは、大型店やネット通販と同じ方法で競争しないことです。

大型店には大量仕入れによる価格競争力があります。
ネット通販には、膨大な商品を検索でき、自宅から注文できる便利さがあります。
小さな小売店が、これらと「価格」や「品揃え」だけで勝負するのは簡単ではありません。

そこで考えなければならⅡのが「価格以外の価値をどう提供するか」ということです。

それには、次のようなことがあります。
 ・店主やスタッフとの会話
 ・商品選びのアドバイス
 ・お客さんの好みを覚えている
 ・地域に密着したサービス
 ・商品を実際に見たり触ったりできる
 ・困ったときに相談できる
 ・商品を取り寄せてもらえる
 ・地域の情報を得られる

このようなことは、ネット通販ではできません。

以下に「まちの小売店」が大型店やネット通販ではできない売り方を考えてみます。

1.「この店で買いたい」と思ってもらう

小さな店にとって重要なのは、「この商品が欲しいから、この店に行く」というお客さんを増やすことです。

単に「婦人服を販売しています」では、大型店やネット通販との違いが分かりません。
しかし、
 ・地域の中高年女性の普段着に強い店
 ・サイズ選びを店員が丁寧に手伝ってくれる店
 ・季節の商品を実際に試着して選べる店

など、特徴を明確にすると、お店の存在理由が生まれます。

つまり、
「何を売っているか」だけでなく、「誰のための店なのか」
を考えることが大切です。

2.接客を「商品の説明」から「相談」に変える

ネット通販では、商品情報を読むことはできます。

しかし、「自分にはどの商品が合うのだろう?」という相談をするのは、実店舗のほうが得意です。
衣料品店の場合なら、
 ・この色のほうがお似合いですよ
 ・この商品なら普段着にも使えます
 ・このサイズのほうが動きやすいと思います

といったアドバイスができます。

食品店の場合では、
 ・この魚ならこの調理方法がおすすめです
 ・今日はこの商品が入っています
といった会話ができます。

こうした人による提案は、小さな店の大きな武器になります。

3.お客さんの顔が見える店にする

まちの小売店の強みの一つが、地域のお客さんとの距離の近さです。

まちの小売店では大型店では難しい、
 ・○○さん、いつもありがとうございます
 ・前回買っていただいた商品はいかがでしたか?

といった関係をつくることができます。

もちろん、すべてのお客さんと親しくなる必要はありません。
大切なのは、
「自分のことを覚えてくれている店」
と思ってもらうことです。
これがリピーターづくりにもつながります。

4.「商品」ではなく「商品+サービス」で考える

価格だけで比較されると、小さな店は不利になりやすくなります。

そこで、商品+サービスという考え方を取り入れてみましょう。

例えば、次のようなことです。
 ・商品の使い方を説明する
 ・サイズ選びを手伝う
 ・商品を取り寄せる
 ・配達する
 ・修理やメンテナンスを紹介する
 ・ギフト包装をする
 ・電話で注文を受ける
 ・購入後の相談に対応する

などです。

「商品そのもの」ではなく、買う前から買った後まで含めた便利さを提供するわけです。

5.品揃えを「広く」ではなく「深く」する

小さな店が大型店と同じように、何でも揃えようとする必要はありません。

むしろ、「この商品なら、この店」という分野をつくることが重要です。

例えば、次のようなことです。
 ・高齢者向けの衣料品ならこの店
 ・地域で一番魚に詳しい店
 ・こだわりの調味料ならこの店
 ・贈答品を選ぶならこの店

というように、得意分野を明確にします。

品揃えの「幅」では大型店にかなわなくても、特定分野の「深さ」なら、小さな店にも勝負できる可能性があります。

6.POPで「商品の良さ」を伝える

せっかく良い商品を置いていても、お客さんに良さが伝わらなければ売れません。

そこで活用したいのがPOPです。
例えば単に、
 「○○商品 1,980円」
と書くだけではなく、
 ・店主おすすめ!
 ・朝食にこれを加えるだけで、いつもの食卓がちょっと変わります」

など、商品の特徴や使い方を伝えます。

小さな店だからこそ、「店主が本当におすすめしたい商品」をPOPで紹介する方法があります。

7.「地域密着」を強みにする

まちの小売店は、地域とのつながりを大切にできることも強みです。

例えば、次のようなことです。
 ・地域イベントへの参加
 ・商店街イベント
 ・地域情報の発信
 ・高齢者への買い物支援
 ・地域団体との連携
 ・学校や自治会との交流
 ・他店との共同企画

などです。

「商品を買う場所」だけではなく、「地域の人が集まる場所」になれば、お店の存在価値も変わってきます。

8.LINEやInstagramで「来店する理由」をつくる

SNSやLINE公式アカウントも、小さな店にとって重要な集客手段になっています。

ただし、
 ・今日は営業しています
 ・新商品が入荷しました
だけでは、なかなか来店につながりません。

例えば、
 ・今週入荷したおすすめ商品3選
 ・店主が選んだ今週のおすすめ
 」○曜日までの限定サービス
など、来店するきっかけをつくります。

SNSの目的を「フォロワーを増やすこと」だけにせず、「お店に来てもらうこと」まで考えることがポイントです。

9.ネット通販を「敵」ではなく「味方」にする

ネット通販が普及したからといって、実店舗がネットを避ける必要はありません。

むしろ、ネットを活用して実店舗を知ってもらう方法があります。
「商品を詳しく知る→お店に行って実物を見る→購入する」という流れです。

また、
 ・Instagramで商品を紹介
 ・LINEで入荷情報を知らせる
 ・ホームページで店舗情報を掲載
 ・Googleマップで営業時間・場所を案内
 ・;ネットショップで販売する
 ・電話やLINEで予約を受ける

など、オンラインと実店舗を組み合わせることもできます。

このように、「ネット通販に負ける」のではなく、「ネットを使って実店舗に人を呼ぶ」という発想です。

10.「安さ」以外の理由で選ばれる店を目指す

大型店やネット通販を見て、「うちより安い……」と考えてしまうと、価格競争になってしまいます。

しかし、お客さんがお店を選ぶ理由は価格だけではありません。

例えば、次のようなことがあります。
 ・相談できるから
 ・店員さんが親切だから
 ・欲しい商品を探してくれるから
 ・近くて便利だから
 ・自分のことを分かってくれているから
という理由があります。

この「価格以外の選ばれる理由」を増やしていくことが、まちの小売店にとって重要なのです。

■ まとめ

大型店やネット通販には、価格、品揃え、利便性など、さまざまな強みがあります。
だからといって、小さな小売店が同じ方法で競争する必要はありません。

小さな店には小さな店の戦い方があります。

むしろ、
 。大型店にはできないこと
 ・ネット通販にはできないこと
に目を向けることが大切です。

例えば、
 ・お客さん一人ひとりに合わせた接客
 ・商品選びの相談
 ・地域に密着したサービス
 ・専門性の高い品揃え
 ・店主のおすすめ
 ・購入後のフォロー
 ・地域とのつながり
 ・LINEやSNSによる情報発信

などです。

さらに重要なのは、
①「何でも売っている店」ではなく、「この店だから買いたい」と思ってもらえる店をつくること。
②大型店やネット通販と同じ土俵で戦うのではなく、自分のお店にしかできない価値を見つけること。
この二つのことが、これからのまちの小売店にとって大切な経営の方向性いなります。

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