小売店にとって、リピーターは経営を安定させるための大切なお客様です。
新規のお客様を集めるためには、チラシやSNS、ホームページ、広告など、さまざまな方法があります。しかし、一度来店したお客様に「またこの店に行こう」と思ってもらうことができれば、広告費をかけなくても継続的な売上につながっていきます。
特に、地域に根ざした「まちの小売店」にとって、接客は大きな武器になります。
大型店やネットショップでは、価格や品ぞろえで競争することはできても、店主やスタッフがお客様一人ひとりのことを覚え、相談に乗り、商品を購入した後まで気にかけるといった「人と人との関係」をつくることは簡単ではありません。
ここでは、どのような接客をすればリピーターを増やすことができるのかを考えてみました。
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目次
1.「売る」ことより「話を聞く」ことを大切にする
接客というと、「おすすめの商品を紹介する」「商品の特徴を説明する」と考えがちです。
しかし、お客様が本当に求めているものは、必ずしも最初から明確になっているとは限りません。
例えば、
・「何かお探しですか?」と聞くだけでなく、「今日はどのようなものをお探しですか?」
・「どんな場面で使われますか?」
・「以前お買い上げいただいた商品で、使いにくかったところはありませんでしたか?」
など、会話を通してお客様の希望を聞いていきます。
大切なのは、商品を売る前に、お客様を知ることです。
「自分の話をきちんと聞いてくれる店」という印象を持ってもらえれば、価格だけでは比較できない店の価値が生まれます。
2.お客様の顔や好みを覚える
地域の小売店では、お客様との距離が近いことが大きな強みです。
以前購入した商品や、お客様の好みを覚えておき、
・「前回お買い上げいただいた商品はいかがでしたか?」
・「以前はこの色を選ばれましたよね」
・「この商品がお好きでしたら、こちらも合うと思います」
と声をかけるだけでも、お客様の印象は大きく変わります。
お客様に「自分のことを覚えてくれている」と感じると、お客様はその店に親しみを感じるようになります。
もちろん、すべてのお客様を完璧に覚える必要はありません。
購入商品や好みなど、接客に役立つ情報を適切な範囲で整理しておくことも、リピーターづくりに役立ちます。
3.お客様一人ひとりに合わせて提案する
同じ商品をすべてのお客様に同じようにすすめるのではなく、その人に合わせて提案することも重要です。
洋品店なら、「こちらが今人気の商品です」だけではなく、
・「普段お召しになる服の色を考えると、こちらのほうが合わせやすいと思います」
といった提案ができます。
食品店なら、「この商品が新しく入りました」だけではなく、
・「以前この商品を気に入っていただいたので、こちらもお口に合うと思います」
という提案ができます。
このような「あなたのことを考えた提案」が、まちの店ならではの接客になります。
4.商品を売った後の「ひと言」を大切にする
リピーターを増やすには、購入してもらった時点で接客を終わらせないことも大切です。
次回来店されたときに、
・「先日お買い上げいただいた商品、使い心地はいかがでしたか?」
と声をかけてみましょう。
お客様にとっては、
「買った後のことまで気にしてくれている」という安心感につながります。
特に、使い方にコツが必要な商品や、購入後に感想を聞くことができる商品では、このようなフォローが効果的です。
販売→使用→フォロー→再来店
という関係をつくることが、リピーター獲得につながります。
5.「相談できる店」を目指す
まちの小売店が目指したいのは、単に商品を販売する店ではありません。
「困ったときに相談できる店」になることです。
例えば、次のようなケースです。
・「どちらの商品を選べばいいかわからない」
・「自分にはどちらの色が似合うだろう」
・「この商品をどのように使えばいいの?」
といった相談に、親身になって答えます。
その結果、商品を購入しなかったとしても問題ありません。
むしろ、「この店に行けば相談できる」という信頼が生まれることが大切です。
すぐに売上にならなくても、次回の来店や口コミにつながる可能性があります。
6.「いつもありがとうございます」を忘れない
常連のお客様には、ぜひ感謝を言葉にして伝えましょう。
単に、「ありがとうございました」だけではなく、
・「いつもありがとうございます」
・「また何かありましたら、いつでもご相談ください」
と声をかけるだけでも、お客様との距離は縮まります。
ただし、常連客だけを大切にするような接客になってはいけません。
初めて来店したお客様にも丁寧に接し、何度も来店してくれるお客様にはさらに感謝を伝えます。
この積み重ねが、店とお客様との信頼関係をつくります。
7.無理に商品をすすめない
リピーターを増やしたいからといって、何でも売ろうとしてはいけません。
お客様が「今日は見るだけ」と言っているのに、次々と商品をすすめられれば、次回から来店しにくくなってしまいます。
そんなときは、「どうぞゆっくりご覧ください。何かありましたらお声がけください」くらいの接客でも十分です。
必要になったときに相談できる環境をつくっておけば、お客様のほうから声をかけてくれることがあります。
「売らない接客」も、長い目で見ると販売につながる接客なのです。
8.お客様との会話から「次の来店理由」をつくる
リピーターを増やすには、「また来店するきっかけ」をつくることも大切です。
例えば、次のようなケースです。
・「来週、新しい商品が入りますよ」
・「来月、この商品の新しいタイプが入荷する予定です」
・「次回ご来店いただいたときに、別の商品もご紹介できますよ」
など、次の来店につながる情報を伝えます。
ただし、単なる売り込みにならないように、「お客様にとって役立つ情報を伝える」ことを意識することが重要です。
9.接客で得たお客様の声を商品・サービスに反映する
接客の最大のメリットは、お客様の生の声を聞けることです。
例えば、次のような場合です。
・「このサイズがあればいいのに」
・;「この商品をもう少し早く入荷してほしい」
・;「こういう商品を探している」
といった声があれば、それを商品仕入れやサービス改善に活かします。
そして、「以前おっしゃっていた商品を仕入れました」と伝えることができれば、非常に強い接客になります。
お客様からすれば、「自分の意見を店が聞いてくれた」ということになるからです。
これは、大型店にはない「まちの店」の強みになり得ます。
10.リピーターづくりは「接客+情報発信」で考える
接客だけでなく、来店後の情報発信も組み合わせると、さらに効果が高まります。
例えば、
・LINE公式アカウント
・Instagram
・店頭POP
・チラシ
・;ニュースレター
・ホームページ
などを活用して、新商品やおすすめ商品、イベント情報などを知らせます。
特にLINEなどを利用すれば、一度来店したお客様に継続的に情報を届けることができます。
ただし、毎回「買ってください」という情報ばかりでは、嫌がられてしまう可能性があります。
商品の使い方や豆知識、季節の情報、スタッフのおすすめなど、「読んで役に立つ情報」も発信することが大切です。
■ まとめ
◆リピーターを増やす接客のポイント
リピーターを増やすために、特別な接客技術が必要なわけではありません。
大切なのは、「このお客様に喜んでもらうにはどうすればいいか」を考えることです。
そして、聞く → 覚える → 提案する → フォローする → 感謝するという接客を繰り返していきます。
お客様が、
・「この店は自分のことを分かってくれている」
・「困ったときには、この店に相談しよう」
・「またあの店に行ってみよう」
と思ってくれれば、価格だけを理由としないリピーターが生まれてきます。
◆「また来たい」と思われる店をつくる
新規のお客様を集めることも大切ですが、まちの小売店にとっては、一度来店してくれたお客様との関係を育てていくことが非常に重要です。
そのためには、商品を売ることだけを考えるのではなく、次のようにお客様との信頼関係をつくることが必要です。
・顔を覚えてくれている
・自分の好みを知っている
・相談に乗ってくれる
・買った後も気にしてくれる
・無理に売ろうとしない
こうした小さな積み重ねが、「またこの店に来たい」という気持ちにつながります。
大型店やネットショップにはない、「人と人とのつながりを生かした接客」
これこそが、地域の小売店がリピーターを増やし、長く商売を続けていくための大きな強みになります。

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