商店街を歩いていると、「以前は多くの人でにぎわっていたのに、今では空き店舗が目立つ」という光景を見かけることがあります。
一方で、今でも多くのお客さんが訪れ、若い人や新しい店舗も集まり、活気を保っている商店街もあります。
では、衰退していく商店街と、元気な商店街では何が違うのでしょうか?
もちろん、立地条件や人口、観光客の有無など、商店街を取り巻く環境には大きな違いがあります。
しかし、成功している商店街を見ていくと、いくつかの共通した特徴が見えてきます。
商店街が活性化しているかどうかを考えるとき、まず「人通りの多さ」に目が行きます。
確かに、人が歩いていることは重要です。
しかし、人が歩いているだけで、商店街の店舗の売上が増えるとは限りません。
大切なのは、「なぜ、その人が商店街に来ているのか」ということです。
買い物をするためなのか、飲食店を利用するためなのか、イベントを見るためなのか、それとも単に通り抜けているだけなのか。
本当に重要なのは、商店街を訪れた人が店舗を利用し、また来たいと思ってくれることです。
この記事では、これからの商店街づくりを考えるうえで、成功している商店街の事例を見ながら今後の商店街がどうあるべきかの重要なポイントを考えてみます。

目次
1.「わざわざ行きたい」と思わせる目的がある
成功している商店街には、次のような「この商店街に行きたい」と思わせる理由があります。
・ここでしか買えない商品がある
・人気の飲食店がある
・専門性の高い店がある
・魅力的な店主がいる
・地域の名物商品がある
・食べ歩きができる
・面白いイベントが開催される
などです。
大型スーパーやネット通販では簡単に手に入らないものがあれば、それだけで商店街を訪れる理由になります。
これからの商店街では、単に「たくさんの店がある」ことよりも、「この商店街だからこそ得られるものがある」ことが重要になってきます。
2.個性的で魅力のある店舗がある
商店街全体を活性化するためには、やはり個々の店舗の魅力が欠かせません。
例えば、次のようなことです。
・この魚屋さんに行きたい
・この洋品店で相談したい
・この店の惣菜を買いたい
・この店主と話したい
このような店舗があれば、その店を目的に商店街を訪れる人が出てきます。
これは小規模店舗にとって大きな強みです。
大型店やネット通販と価格だけで競争するのではなく、専門性、商品知識、接客、相談、アフターサービス、店主の人柄などを武器にすることができます。
3.「商店街全体」でお客さんを呼んでいる
成功している商店街では、個々の店舗だけでなく、商店街全体で集客を考えています。
例えば、次のようなことです。
・商店街共通ポイント
・共通クーポン
・スタンプラリー
・商店街マップ
・季節イベント
・セール
・SNSによる共同発信
・商店街共通のLINE公式アカウント
などです。
一店舗だけで広告を出すよりも、商店街全体で情報発信することで、より大きな集客効果が期待できます。
特にこれからは、「個店の魅力」+「商店街全体の魅力」という両方の視点が重要です。
4.イベントを「一日限り」で終わらせない
商店街では、さまざまなイベントが開催されています。
イベントによって普段より多くのお客さんを呼ぶことはできます。
しかし、イベントの日だけ人が集まり、翌日から元通りでは、商店街の根本的な活性化にはつながりません。
重要なのは、イベントを「商店街を知ってもらうきっかけ」として利用することです。
例えば、次のような流れが考えられんす。
・イベントに来てもらう
↓
・店舗を知ってもらう
↓
・LINEやSNSをフォローしてもらう
↓
・クーポンや情報を届ける
↓
・普段の買い物に来てもらう
という流れをつくります。
イベントを「来店の入口」として活用するわけです。
5.地域住民とのつながりを大切にしている
商店街の大きな強みの一つが、地域とのつながりです。
大型店やネット通販では、「いつもの店主と会話する」「自分の好みを覚えていてくれる」「商品について相談できる」といった関係をつくることは簡単ではありません。
商店街では、「売る人」と「買う人」の距離が近いという特徴があります。
この関係は、リピーターを増やすうえでも大きな力になります。
商店街を単なる「買い物の場所」ではなく、地域の人が集まり、交流できる場所として考えることも、これからますます重要になります。
6.デジタルを上手に活用している
「商店街」と「デジタル」は、一見すると相性が悪いように思えるかもしれません。
しかし、実際にはデジタルを活用することで、商店街の魅力をより多くの人に伝えることができます。
例えば、
◇Instagram
商品の紹介、店舗の雰囲気、イベント情報などを発信する。
◇LINE
セール情報、クーポン、イベント案内などを直接お客さんに届ける。
◇Googleビジネスプロフィール
営業時間、店舗情報、写真、口コミなどを掲載し、「近くの店」を探している人に見つけてもらう。
◇ホームページ
商店街全体の店舗情報やイベント情報をまとめる。
◇デジタルポイント
買い物をすることでポイントが貯まり、次回の来店につなげる。
などが上げられます。
重要なのは、単にデジタル化することではありません。
「デジタルを使って、どうやって実際の来店につなげるか」を考えることです。
7.若い世代や新しい店舗を受け入れている
商店街の高齢化も大きな課題です。
昔から営業している店舗は、地域との信頼関係や豊富な経験を持っています。
これは大きな財産です。
一方で、新しい店舗が入らなければ、商店街全体が高齢化してしまいます。
そこで、「昔からの店」+「新しい店」という組み合わせが重要になります。
カフェ、飲食店、雑貨店、サービス業など、新しい業態が加わることで、これまで商店街を利用していなかった若い世代が訪れるきっかけにもなります。
8.空き店舗を新しい価値に変えている
空き店舗が増えることは、商店街にとって大きな問題です。
しかし、空き店舗を単に「空いている店舗」と考えるのではなく、「新しい人や事業を呼び込むスペース」と考えることもできます。
例えば、次のような活用が考えられます。
・チャレンジショップ
・新規出店店舗
・シェア店舗
・カフェ
・地域交流スペース
・子育て支援施設
・コワーキングスペース
などです。、
最初から大きな店舗を借りるのは負担になります。
小さなスペースから出店できる仕組みをつくることで、商店街に新しい事業者を呼び込める可能性があります。
9.「安さ」だけで大型店と競争していない
小規模店舗が大型店と価格だけで競争するのは、決して簡単ではありません。
そこで必要なのが、「価格以外の価値」です。
例えば、次のようなことです。
・商品選びを手伝ってくれる
・専門的な知識がある
・顧客の顧客の好みを覚えている
・商品を取り寄せてくれる
・修理やメンテナンスをしてくれる
・地域に合った商品をそろえている
・顔の見える接客をしている
などです。
「少し高くても、この店で買いたい」と思ってもらえる店を増やすことが、商店街の生き残りにつながります。
10.商店街の将来像を共有している
重要なポイントの一つがあります。
それは、「この商店街を将来どうしたいのか」を商店街全体で考えていることです。
「今年はイベントを開催しよう」、「今年は補助金を使おう」という単発の取り組みだけでは、長期的な活性化は難しいでしょう。
例えば、
・地域の高齢者が安心して買い物できる商店街にする
・若い世代が訪れたくなる商店街にする
・新規出店者が入りやすい商店街にする
・地域住民との交流拠点になる
など、商店街としての方向性を共有することが大切です。
11. 成功している商店街から学ぶこと
◇これからの商店街に必要なのは「人を呼ぶ仕組み」をつくる
これまでの商店街では、「店を開けていれば、お客さんが来る」という時代がありました。
しかし現在は、大型店、コンビニ、ネット通販、SNSなど、消費者が買い物をする選択肢が大きく増えています。
そのため、これからの商店街には、「どうすれば、お客さんに商店街を選んでもらえるのか」を考えることが必要です。
例えば、次のようなことです。
・Instagramで商店街を知る
↓
・LINEでイベント情報を受け取る
↓
・イベントをきっかけに来店する
↓
・店舗で買い物をする
↓
・商店街共通ポイントが貯まる
↓
・次回のクーポンが届く
↓
・再び来店する
このような仕組みをつくることができます。
◇成功する商店街は「昔に戻ろう」としていない
商店街の活性化を考えるとき、「昔のような活気を取り戻そう」という言葉がよく使われます。
しかし、本当に必要なのは、昔の商店街をそのまま復活させることではありません。
消費者の生活も、買い物の方法も大きく変わりました。
だからこそ、「昔の商店街を取り戻す」のではなく、「今の地域住民が利用したい商店街を新しくつくる」という考え方が必要です。
商店街には、大型店やネット通販にはない、「人」「地域」「専門性」「会話」「信頼」という大きな財産があります。
そこにSNS、LINE、デジタルポイントなどの新しい仕組みを組み合わせることで、商店街はもう一度、新しい魅力をつくることができるのです。
■ まとめ
成功している商店街には、
・わざわざ行きたい」という目的がある
・個性的で魅力のある店舗がある
・店舗同士が連携している
・イベントを継続的な来店につなげている
・地域住民とのつながりを大切にしている
・SNSやLINEなどを活用している
・若い世代や新規出店者を受け入れている
・空き店舗を新しい事業に活用している
・価格以外の価値を提供している
・商店街として将来像を共有している
という特徴があります。
商店街の再生に、特別な「一発逆転」の方法があるわけではありません。
一つひとつの店を元気にし、その力を商店街全体につなげていくこと。
そして、地域の人に「また、この商店街に行きたい」と思ってもらえる理由をつくること。
それが、これからの商店街活性化の基本になるのです。

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