「デジタル地域ポイント給付事業」とは?/その内容と運用方法

一向に収まる気配がない物価高に対する市民生活の応援や地域経済の活性化のため、スマートフォン等の専用アプリケーションを用いて、市民にデジタルポイントを給付する自治体が増えてきています。
自治体が行う「デジタル地域ポイント給付事業」とはどのような事業なのか、その内容と運用方法などについて利用者側から見た利用方法とそれを受けるお店側の対応方法などについて調べてみました。

1 「デジタル地域ポイント給付事業」とはどのような事業なのか

デジタル地域ポイント給付事業」とは、
国や自治体が物価対策などの市民生活支援と地域経済の活性化を目的に、現金ではなくポイントの支給を行う事業になります。

(1) なぜ「現金」ではなく、「ポイント」なのか

大きな理由は次の二つです。

① 地域でお金を使ってもらうため
・その地域での商店などの加盟店でしか使えない。

そうすることで、その地域のお店などにお金が回ることにより、地元商店街やまちの小売店などを支援することができます。

② すぐに使ってもらうため
 ・有効期限を設け、使い道が限定される。

期限内に使い切らないと、無駄になることにより消費が増えることになります。

(2) どのような仕組みなのか

・お客さんはスマホで商品を受け取り、ポイントで支払いを行う。
・1ポイント1円として使える。
・利用履歴がデータで管理される。

2 自治体が行う「デジタル地域ポイント給付事業」の内容

多くの自治体では、継続する物価高に対する市民生活の応援や地域経済の活性化のため、国の重点支援地方交付金を活用した「デジタル地域ポイント給付事業」の実施を予定しています。

その内容は、次の通りです。

(1) 利用者の「デジタルポイント」利用方法など

① ポイント給付対象者
給付・ポイント利用期間中において、給付申請時点でその自治体に住民登録がある者
全市民が対象ということになります。

② ポイント給付額
給付対象者1人につき、おおよそ5000円相当分のポイント(1ポイントにつき1円相当)が多くなっています。

③ ポイント給付・利用期間
多くの自治体では半年など利用期間を設定しています。

④ ポイント給付方法
ポイント給付・利用期間内にスマートフォン等で利用できる専用のアプリケーションを用いて、マイナンバーカードによる本人認証(給付申請)を行ったのち、給付対象者1人につき、例えば5000円相当分のポイントを給付します。

⑤ ポイントが利用できる店舗
当該自治体が市内の小売店などに参加を呼びかけ、参加登録申請を行い、参加登録された店舗で、あくまでも当該自治体内の店舗などに限られます。

⑥ ポイントの受け取り方法
自治体がスマートフォン等で利用することができる「公式アプリ」を開発します。

自治体が設けた特設サイトから「公式アプリ」をダウンロード
・ アプリ画面の案内に沿って、マイナンバーカードをスマホにかざして本人確認
・ 5000ポイント(5000円相当)(例)を受取

⑦ ポイントの利用方法
自治体の登録店舗でポイントを利用します。

・店舗のレジにある二次元コードをスマホで読み取る
・利用するポイント数を入力

利用者向けのアプリのダウンロード方法、操作方法、店頭での使い方などについては、当該自治体から配布される操作マニュアルによります。

(2) 店舗の参加方法、利用者への対応方法など

デジタルポイント時用への参加店舗には次の3つのメリットがあります。

① 無料で参加できる
② 新しい機器の設置は不要
③ 参加手数料は不要

① 参加店舗の条件
 当該自治体に店舗が所在していること。

ただし、次の事項に該当する店舗、サービスの場合は参加できません。
・暴力団または密接関係者
・風俗営業関係

また、次の商品などは対象にはなりません。
・来店を伴わない商品の扱い店
・不動産、金融商品
・商品券、プリペードカード等のサービス

② 参加方法
 多くの自治体では原則としてWEB申込になるが、FAX・郵送での申し込みも可能です 

③ 利用開始までの流れ
参加申し込みをした後は、次の流れになります。

・事務局が受付、登録 
 ポイント利用可能店として特設サイトに店舗情報を記載

・事務局からスタートキットが送られてくる
 マニュアル、決済用二次元コードスタンド、ポスター、ステッカーなど                    

・ポイント利用開始の準備
 ポスター、ステッカーの掲示
 二次元コードスタンドの用意

④ 利用開始後の店頭での運用、お客様対応の方法
お客様が店の二次元コードを読み取り、金額を入力するだけなので手間はほとんどかからないが、次の点に注意が必要です。

・会計時に「ポイント利用か」を確認
・利用ポイント数、金額入力ミス防止のための確認
・二重決済にならないよう注意

これらの確認には、お客様の「支払い完了画面」を確認する必要があります。

⑤ 店舗への入金(精算金)の頻度
多くの場合、次のような対応になります。
月2回、店舗ごとに、利用されたポイント相当の金額が指定口座に振り込まれる
・店舗側に振込手数料等、精算にかかる費用は発生しない

店舗の取引状況の確認方法
PC等から、当該自治体から配布される取り扱いマニュアルなどのメニューの中から「取引履歴」をクリックすることにより、次の取引履歴がリアルタイムが表示されます。

・取引のあった日時や店舗名
・利用ポイント

事業者用コンソールにログインする際に必要となるID・パスワードやマニュアルは当該自治体の「スターターキット」等によります。

3 [デジタルポイント事業」実施の効果

行政が行うデジタルポイント事業は地域経済などに次の効果をもたらします。

(1) 地域経済への効果

・地域限定でお金が使われる
・中小の店舗で売り上げ増加が見込まれる
・商店街では来客数が増える

(2) 消費の上乗せ効果

・ポイントに上乗せしてでも買い物をしてくれる

(3) 地元住民への家計負担の軽減

・食料品・日用品に使える

(4) デジタル化の促進

・スマホ決済に慣れる
・高齢者のデジタル利用の促進
・キャッシュレスの普及につながる

(5) 地域コミュニティの活性化

・普段行かない店に行く

4 まとめ

今では若者からお年寄りまで肌身離さず持っているスマホに注目し、物価高騰が続く現在、市民の消費生活と商店街をはじめとしたまちの小売店の支援策として「デジタルポイント」事業はうってつけの施策と言えます。
 この事業は、店舗の参加数が事業の成否のポイントになることは明白で、そのためには、受け入れる店舗側になるべく手間をかけずに簡単に決済処理ができるシステム構築やアプリを作成することが参加店舗の偏りをなくし多くの店舗の参加を見込める条件になります。
また、スマホを使えない人々への対応についても行政サービスの一環として別の形での利用も検討しておく必要があります。
 さらにこの取り組みが一過性に終わらないよう、地域経済の活性化と市民の消費生活の両面の支援策として、他の施策と連携した継続的な取り組みになるよう期待したいものです。