「安くていいものを売ってさえいれば、何もしなくてもお客さんは勝手に来てくれる」と考えている店主が案外多いものです。
果たしてそうなのか。
お客さんは、その「いいもの」をどこでどうやって知るのか。
店主がいいと思っているものは、お客さんは本当に皆いいと思っているのかどうか。
この辺りのギャップを埋めてゆかないとお店の経営は店主の独りよがりに終わってしまいそうに思えます。
目次
1 その店に置いている「いいもの」を多くの人にを知ってもらう。
それがどれだけいいものかが一体どれだけの人たちが知っているいるのでしょうか。
店主一押しの「いいもの」も、何もせずじっとお客さんが来るのを待っていても決して売れることはありません。
こちらの方から売り込まなければなりません。
現在、世の中には、チラシ、新聞広告、SNSなど宣伝の方法は山のようにあります。
どのような方法で宣伝しても自分の店の「いいもの」に関心がない人にとっては、一顧だにされません。
その中で、最もよく伝わるのがお客さんからの口コミです。
お店に来てくれたお客さんは自分の店の「いいもの」に関心を持って買ってくれているので、その良さを十分承知してくれているはずです。
この人たちの口コミ力に期待します。この人たちからこの「いいもの」を広めてもらうのです。
特に主婦層の口コミ力は強力です。日頃のご近所とのコミュニケーション力が発揮され、場合によってはアッという間に広まります。
お店もこのようなお客さんには、多少のサービスをして、口コミを依頼してみたらどうでしょうか。
2 店主が思っている「いいもの」は、皆がいいと思っているとは限らない。
店主の思い入れのあるこだわりの商品は、店主にとってはいいものであっても、だからといって皆がそれを欲しいと思っているわけではありません。
だから、こんないいものがなぜ売れないんだろうということになります。
店主の思い込みとお客さんの欲求がマッチしていないのです。。
安くていいものは売れるというのは、商売をやってゆく上で普遍の原則です。
けれども同じジャンルの品物で、少々高くても自分の好みに合えば買うというのも買い手の心理です。
それでも、創業何百年の老舗で何も変えずに代々受け継がれてきた商品もあります。
これらの商品に共通することは、時代が変わっても今の時代には味わえない逆の新鮮な魅力が人々を惹きつけるからです。だから一定の根強いファンがその店を支えているのです。それでもよく見ると、そのお店の商品には古いものばかりではなく、伝統に現代にマッチした味付けを施した商品も品揃えしています。
店主が自分の店の商品にこだわりを持つことは決して悪いことだとは思いませんが、商売を続けてゆこうとすれば、店主のこだわりだけでは店は持ちません。
時代とお客さんの欲求に合った品揃えなり、売り方に徐々に変えてゆく必要があります。
その方法はお客さんが一番よく知っています。
大げさなリサーチを行わなくても、お店に来てくれるお客さんに気軽に聞いてみることが最も手軽にできるリサーチ方法です。
3 まとめ
「こだわりの店」という謳い文句のお店を時々見かけますが、そのこだわりがお店の経営の足かせになっていませんか。
消費者の意識は気まぐれでうつろいやすいものです。
こだわりの品物が世の中に十分知れ渡っており、今の時代にマッチした魅力を備えたものであるのなら何も言うことはありませんが、なかなかそうは行きません。
この難しい時代に永く商売をやってゆこうとすれば、いい意味で時代に迎合した商いの方法を見出さなければなりません。
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