商店街に食料品三品(肉、魚、野菜)を売る店があればそれなりに人通りが絶えることはなかったのですが、それらのお店もいつの間にか空き店舗なってしまいました。
近所のスーパーにかってのお客さんを奪われたのです。
洋品店、日用雑貨店もしかりです。
わずかに活気を呈しているのは空き店舗に進出してきた居酒屋や飲食店だけです。
「商店街に人を呼んで活気を取り戻そう!」と組合ではかねてからセール、イベントなど様々な取り組みを行ってきました。
これらの取り組みにより、それらの期間中はそれなりに人出が増えますが、一時的なものに終わっているのが商店街の役員としては悩みの種です。
常に人通りの絶えない商店街にするにはどうしたらいいのか
ここでは、商店街に再び人を呼び復活させるにはどんな方法があるのか、行政からの提案も参考にしながら次のような観点から探ってみました。
①空き店舗、空き地を活用する
②商店街の情報発信のためにはデジタルを活用する
③商店街にある資産を活用する
④地元学生などの若者と連携する
⑤地元の小学校などとコラボする
⑥子育て世代が来やすいサービスを提供する
⑦かっての顧客や地域住民の声を聞く
⑧各店舗は、スーパー、量販店とは違う売り方やサービスを行う
以下にこれら8項目について解説します。
目次
1 空き店舗、空き地を活用する
長期間に渡って入居者が決まらない空き店舗については、無駄に放置せず、商店街が所有者と折衝して可能であれば地域住民にコミュニテイーの場や新規出店者への提供など次のような活用方法が考えられます。
●商店街の空き地や路地を若者から年寄りまで集える場所としての施設を整備する
関連情報 ⇒ 店の一角をサロンに
●地域の人たちのためのセミナーや催事開催の場所として提供する
●地域のお年寄りのためのサロンとしての役割を持たせた場所として活用する
●市内有名店へ支店やチャレンジショップなどの新規出店希望者を募る
2 商店街の情報発信のためにデジタルを活用する
今では商店街を広く知ってもらうためには次のようなデジタル技術の活用は必須になっています。
●ホームページ、SNSの活用し、広範囲に商店街の様々な情報を広く発信する
●紙媒体の広告と併用してデジタルサイネージにより不特定多数の人々に広告宣伝を届ける
※デジタルサイネージとは、
駅、ショッピングセンター、電車の中、公共の施設など、あらゆる場所で、ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報
を発信する電子看板のこと
関連情報⇒ デジタルサイネージで通りがかりの人にも商店街を宣伝!/導入方法・費用効果
●VR技術を使った商店街からの情報発信方法を構築する
※VR技術とは
商店街の様子を全方位にわたって見ることができ、24時間365日お店で買い物をするように商店街を歩くような気分で、
お店や商品を見ることができる技術
関連情報 ⇒ VR(仮想現実)で見られる!|商店街を歩いているよう
3 商店街にある資産を活用する
商店街の中や近辺に有名観光地、由緒ある神社・仏閣などがある場合があります。
これらは、いわば商店街の資産といえるものです。
これらの資産を商店街と関連付けて「商店街の顔」として次のように活用します。
●近所の神社、仏閣、有名観光地などを訪れる人々を商店街に誘導するための導線をつくる
●神社の縁日などにはそれに因んだフェアーやイベントなどを開催する
●伝統行事や祭りなどには地元の行事として、商店街が積極的に協賛し、商店街の認知度向上
を図る
4 地元学生などの若者と連携する
若い人たちが商店街に来てもらえると商店街そのものが活気づきます。
それには、若者が商店街何を求めているのかなどを知り、若者の視点による商店街の再生に向けた次のような取り組みの提案などを受けます。
●商店街の在り方についての検討会の開催
●若者と連携した催し物などの企画・実施
●商店街の広報誌や街歩きマップの作成・配布
●若者によるSNSなどの情報発信技術の講習会
●商店街の店舗商品のリブランディング
※リブランディングとは
現在、企業や店舗が保有しているブランドを見直し、時代の変化や消費者ニーズに合わせて再構築すること
5 地元の小学校とコラボする
地元小学校の協力をの一環として商店街と合同で各種のイベントを開催します。
ある商店街で実際に行われた例を紹介います。
●児童絵画展
●トリートクイズラリー
●店街キャラクターコンテスト
これらの詳細を次のリンクで表示します。
⇒ ある商店街のコラボ実施例
6 子育て世代が来やすいサービスを提供する
子育て絵代が気軽に来れるよう商店街あげて各店舗が次のようなサービスを行います。
●授乳やむつ交換ができるスペースの整備
●各商店に段差解消アットの設置
●サービス設置のマップの作成・配布
7 かっての顧客や地域住民の声を聞く
どんな商店街であれば人は来てくれるのか、それをいちばんよく知っているのはかってのお客さんや近所の住民の方々です。
この人たちに次のような内容をアンケート形式で訊いてみます。
●日頃、どこに買い物に行っていますか?
●なぜ、この商店街に行かなくなったのですか?
●この商店街がどのようになればまた行きますか?
●どんなお店があれば行きますか?
●どんなものが売っていれば行きますか?
などなど・・・・・・
アンケート調査結果からは、今後の商店街の運営方法などについて大きなヒントを得ることができます。
商店街活性化を検討する際にこのアンケート結果を生かします。
下記リンクである商店街でのアンケート調査結果を掲げておきます。
⇒ 地元商店街への住民アンケート結果に見る商店街の目指すべき形
8 各店舗は、スーパー、量販店とは違う売り方やサービスを行う
近所にスーパーや量販店がある商店街はスーパーや量販店と同じ種類の商品を今までの売り方をしていても品揃え、価格、サービスなどで太刀打ちできないので、お客さんにスーパーや量販店にはない満足感を得てもらえるような売り方をする必要があります。
例えば次のようなことが挙げられます。
●何かに特化した商品を目玉にする
・季節性のある商品
・その店の限定品
・その店のオリジナルな商品
・年齢層に特化した商品
●独自サービスの展開
・御用聞きを復活させる
・配達を行う
・店独自の特典を付ける
7 まとめ
商店街は様々方法で人を呼ぶための策を講じています。
イベント、売り出しなどで多くの人を呼ぶだけならそう難しいことではありません。
商店街にとって、一時的に1000人、2000人の人を呼ぶことよりも、毎日100人、200人の人が来てくれる方が大切なことなのです。
それには、一度来たお客さんにまた行きたいと思ってもらうことと、それが多くの人々の間に広まってゆくこと、そしてあの商店街に行けば何か新しい発見があると思ってもらえる何かが必要です。
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