コロナ禍以降もなかなか客足が伸びないまちの小さな小売店
このままじゃやっていけない
なんとかしなければ
このような声が聞こえてきます。
でもまちの小売店の店主が一人で出来ることは限られます。
こんな時、頼りにならなければいけないのが小売業の組合です。
組合員同士が膝を突き合わせてお客さんに来てもらうための策を練るのです。
各個店ごとの集客方法は、お店ごとに様々な方法で行っているので、ここでは、傘下の個店参加の下で組合全体として、集客や売上のUPのための新しい方策を考えてみました。
目次
1 組合として今できることはどのようなものがあるのか
組合員の大多数が参加できて参加個店全てに集客や売上の増加が見込める策としてどんなものがあるでしょうか。
(1) 組合で「プレミアム付き商品券」を発行する
(2) 組合のイベント、セール時に買い物額に応じたお買物券などを配布する
(3) 組合でネットショップを運営する。
などが考えられます。
以降に3つの方法について説明しますが、これらは本サイトですでにアップしてあるもので、そこからポイントをピックアップするにとどめ、詳細はそれぞれのリンクをご覧ください。
(1) 組合で「プレミアム付き商品券」を発行する
商店街などでは地域単位で定期的に行っている「プレミアム付き商品券事業」ですが、これを組合単位で行うのです。
詳しくは次のリンクをご覧ください
「プレミアム付き商品券」とは、
例えば、500円券12枚を1セットとした商品券を組合が5000円で販売し、この商品券を買ってくれたお客さんは、5000円で6000円分の買物ができるというものです。
つまり、差額の1000円がプレミアム分で、これを組合が負担するということになります。
組合が「プレミアム付き商品券」を発行することにより、その組合の認知度が向上し、参加した個店の売上は確実にアップします。
プレミアム付き商品券発行事業の業務内容としては次のようなものがあります。
①商品券の販売
②商品券販売状況の管理
③商品券の利用状況の管理
④個店への換金
これらの事務について、誰がどこで行うかが大きな課題になります。
商店街であれば、商品券利用の対象者はいつも買い物に来る近所のお客さんで、商品券を扱うお店も商店街に限られるので、商店街振興組合の事務局がこれらの事務を一手に行うことができますが、業種別の組合ではこうは行きません。
まず、組合員である個店とお客さんは市内に点在するということが商品券発行事業を行う上で大きなネックになります。
市内に点在する個店が定期的に使用された商品券を提出し、換金するために遠く離れた組合事務局に出向いてくれるのか、逆に事務局がお店に出向くのか、あるいはもっと効率的な方法を編み出すかが組合が行う商品券発行事業の成否にかかわってきます。
事務局が主体となってこれらの事務を行いますが、組合員がどれだけ関わることができるかがポイントになります。
(2) 組合のイベント、セール時に買い物額に応じたお買物券を配布する
業種別組合が定期的に行うイベント、セール時などに一定額以上のお買い物をしていただいたお客さんに対し、2000円程度のお買物券をプレゼントします。
お客さんは近所の組合傘下のお店でこのお買物券を使用し、別に新たな買い物をしていただき、お店のファンになってもらったり、リピーターを促そうという試みです。
お買物券は組合の予算の中から出しますが、お買物券進呈の対象者数やお買物券金額によっては、抽選により進呈枚数を制限したりします。
(3) 組合でネットショップを運営する
業種別組合はいわば一つの専門店街のようなものです。
組合の店舗では店主一押しの商品やこだわりの商品が一つや二つ必ずあります。
これらを持ち寄って業種別組合が独自のネットショップを構築し、組合員とともに共同でネットショップを運営してゆこうというものです。
ネッショップの構築・運用がスムーズに行けば、傘下の個店の売上アップが期待できます。
詳しくは次のリンクをご覧ください
組合でネットショップを構築・運営してゆこうとすれば、組合事務局を中心とした運営体制を構築しなければなりません。
ネットショップの管理・運営には主に次の業務が必要になります。 /
・集客
・商品登録
・受注・入金の確認
・在庫管理
・発送
・売上管理
・仕入れの発注・納期管理
・顧客管理
これら全てを組合事務局がが行うには無理があり、参加店舗や専任の者が行わなければできない項目もあり、組合事務局と参加店舗などの業務分担を事前に決めておくことが重要になります。
大きく分けて、サイトの統合的な管理を組合が行い、参加店舗は個々の出品した商品についての管理を行うのが基本になります。
あるいは、資金に余裕があれば、外部の管理代行業者に委託するのが最もてっとり早い方法になります。
構築するネットショップは、比較的簡単かつ安価に導入できることから、初めてネットショップを始めるという組合にとっては「ASP型ネットショップ」が最適です。
ネットショップ構築・運営については、初期費用や運営費が必要となるので参加する店舗に応分の負担を求めることも必要になります。
2 どのように事業実施体制を整えるか
プレミアム付き商品券発行事業、お買物券配布事業は商店街では日常的に行っている事業ですが、そのノウハウをそのまま業種別組合に適用するには、無理があります。
商店街と業種別組合では、店舗、顧客が限られた地域に限定される商店街と市内各地に点在するという地域特性の違いがそのまま事業実施の難易度を決定づけてしまいます。
したがって、業種別組合がこの二つの事業をスムーズに実施するには、個店に組合まで足を運んでもらうか組合事務局が個店に出向くかを事前によく話し合って商品券などの管理や換金に関する業務分担と方法を十分検討してからスタートしないと途中で空中分解しかねません。
3 事業実施でどのような効果が生まれるか
これら事業が成功すると組合と傘下の個店などに次の効果が現れます。
□組合の知名度があがる
□新たな顧客を生み出すことができる
□リピーターの確保に結び付く
などがあるほか、組合と参加個店との一体感が生まれ、組合組織の強化を図ることができるなどの効果があります。
4 行政の補助金事業の対象となる場合がある
これらの事業については、商店街とともに行政が補助金事業として採択し、一定の必要経費について補助金が交付される場合があります。
補助対象としては、
・プレミアム付き商品券事業のプレミアム分
・お買物券配布事業はお買物券の利用額
・ネットショップ構築・運営初期構築費用の一定割合
・広告宣伝費
などが対象になるケースがあり、日ごろからこれらの補助金事業の情報を注意し、公募があれば積極的に応募すべきです。
3 まとめ
まちの小さな小売店が組合と一体となって集客のためにできる事業を考えてみましたが、
プレミアム付き商品券発行事業、お買物券発行事業については、商店街と違ってお客さんと個店が市内に点在するということがネックとなり、特に個店の窓口業務がスムーズに進まないという懸念があることから、どのような体制で臨むかをまず決めることが大切です。
組合単位でのネットショップの構築・運営については、やりようによっては思っていた以上に費用が嵩む場合があるということと、日常のショップ運営について組合傘下の店舗にも一定の役割分担が必要なこと、時と場合によっては専任のスタッフが必要なことなどを事前に十分話し合って組合と個店が納得した上でスタートする必要があります。
これらのことをクリアし、この事業が成功すれば、参加個店への集客、売り上げ増、リピーターの確保、組合と傘下個店との新たな一体感が生まれ、個店、組合にとって大きな効果が生まれます。
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