商店街や小売店の組合がネットショップサイトを立ち上げ、組合員と共同で運営できないかを考えてみました。
商店街には、色々なお店があります。洋品店、日用雑貨店、食料品、果物屋、宝飾品、時計や、趣味の雑貨など、そして飲食店から居酒屋まであります。
いわば地域が一つのショッピングモールといえます。
小売業の業種別組合においても組合員のお店が集まれば専門店街になります。
商店街、組合の店舗では一押しの商品や店主こだわりの商品が一つや二つ必ずあります。
また、これを買ってほしい、なぜ売れないんだろうという商品もあります。
日なが店を開けてお客さんを待っていてもなかなかお客さんは来てくれません。
それならネットショップでもとネットサイトへの出店や出品を考えるまちの小売店の方々も多くいますが、大手のネットショップサイトへの出店・出品や独自でのネットショップサイトの構築にはそれなりに敷居が高く,なかなか踏み出せないものです。
そこで商店街や業種別組合が独自のネットショップを構築し、組合員とともに共同でネットショップを運営したらどうでしょうか。
ここでは、商店街や組合などが独自のネットショップの立ち上げと運営を行うために、
・参加する店舗数がどれだけあるか
・運営体制をどうするか
・構築・運営にどの程度の予算が必要か
・ネットショップの種類と特長
などについてまとめ、最後に商店街や小売事業組合が独自に立ち上げ、運営が可能な
商店街や組合に最適なECプラットフォームを提案しました。
目次
1 参加する店舗数がどの程度か
資金が十分あるある商店街や組合ではネットショップ構築・運営に係る経費は商店街や組合が負担することができますが、多くの場合はそこまで予算を割ける組合は限られており、原則として参加店舗全員にもいくらかの負担が発生することになります。
その場合、参加店舗数が多ければ多いほど構築・運営経費面で楽になります。
2 ネットショップの 運営体制をどうするか
ネットショップを構築後、日々運営してゆくには商店街や組合にとって、これまでにない様々な業務が新たに発生します。
それらの業務について、商店街や、組合と参加店舗が分担する業務を決めた上で運営体制をつくらなければなりません。
次に示すネットショップ運営に必要な業務について、商店街や組合と参加店舗の業務分担をしっかりと決めておかなければ、後々にもめごとの種になり、この構想は空中分解しかねません。
一般的にネットショップの管理運営はどのようなものがあるのでしょうか。
以下にネットショップの運営管理内容と商店街、組合と参加店舗との管理分担について見てゆきます。
(1)ネットショップ運営に必要な業務
■集客
ネットショップを開設しただけでは商品は売れません。
いかにしてお客さんを集めるかを考えなければなりません。
広告などを出してお客さんを集めることはできますが、それも資金次第になります。
■商品登録
賞品を登録するには、商品画像、商品説明が必要になります。
価格設定、送料の設定なども重要な項目になります。
また、タイトルやキャッチコピーの作成なども必要になります。
■受注・入金の確認
商品が売れたときに受注ページなどを確認し、速やかな顧客対応が必要となります。
ショップによっては、お客様に自動送信メールを活用することが可能です。
入金の確認については、たいていの場合、サイトの管理画面で確認しますが、決済方法によって、入金待ちになっている場合や、商品発送後に代金が支払われる場合もあるので、トラブルにならないよう、各支払い方法に応じて、適切な対応が必要になります。
■在庫管理
ネットショップにおいて、在庫がないにも関わらず販売してしまい、お客さんに迷惑をかけることがないようしっかりとした在庫管理が必要です。
常に受注と在庫はリンクしているように管理を行って行かなければなりません。
在庫管理については、在庫、受注、発送などをデータベース化し、常にリアルタイムで把握できるようなファイル管理を行う必要があります。
■発送
スムーズな発送のためには「検品→梱包→発送」の流れをスムーズにするためにマニュアル化しておくことが望ましいです。
また、発送のさいには、梱包にも気を使いましょう。また、梱包にひと工夫を加えることによりリピーターの獲得にもつながります。
■売上管理
売上管理は日々の全体の利益の把握の他に、商品別の売上の把握を行うことで、効率的な仕入れを行うために重要な業務になります。
■仕入れの発注・納期管理
納期がわからない商品については、サイトにアップできないので、仕入を行う際には必ず納期を確認しなければなりません。
また、在庫管理と商品の納期管理を常にリンクさせ、サイトへのアップのタイミングを合わせてゆく必要があります。
■顧客管理
顧客管理とは、顧客の氏名や住所、メールアドレスなど、顧客の情報を管理することです。
顧客の個人情報が漏れないように、細心の注意を払う必要があります。
誰が・いつ・何を・いくらで買ったなどをデータベース化し、またアンケートを行った場合の回答などと併せて顧客情報として管理し、顧客の固定化、リピーターの確保などに用いる重要な情報とします。
以上がネットショップ運営に必要な業務ですが、商店街や組合がネットショップを運営するためにはこれら全てを商店街や組合が行うには無理があり、参加店舗が行わなければできない項目もあります。
次に上記の8項目の業務を商店街や組合と参加店舗による分担がどのようになるかを見てゆきます。
(2)ネットショップの管理・運営の分担
構築したネットショップは、サイトの統合的な管理を商店街などの組合が行い、参加店舗は個々の出品した商品についての管理を行うのが基本になります。
〇商店街など組合が行うべきネットショップの管理
・集客
・商品登録
・受注・入金の確認
・顧客管理
〇参加店舗が行った方がよいネットショップの管理
・在庫管理
・発送
・売上管理
・仕入れの発注・納期管理
となります。
これらはあくまでの目安であり、内容によっては商店街や組合と参加店舗が一緒に行わなければならないこともあります。
そして商店街や組合と参加店舗がネットショップそのものをお互いにリアルタイムで確認できるような仕組みが必要で、それにはネットショップそのものを商店街と組合が共有できるように構築する必要があります。
さらに、商品の登録情報、受注、入金の確認など商店街から該当する参加店舗への情報伝達方法なども確立しておく必要があります。
(3)ネットショップ管理・運営体制
商店街や組合で構築したネットショップを管理・運営するには、外部の管理代行業者に委託するのが最もてっとり早いのですが、それなりの費用が発生します。
構築するネットショップの形式によりますが、後述するASP型であれば商店街の事務局に本部を置いて、構築したECサイトのアドバイスを受けながら専任のスタッフを置いて運営することは十分可能です。
また、組合員の中からパソコンの操作とネット技術に精通しており、なおかつ自店でネットショップ運営の経験があるものが補佐する形をとれればベストです。
しだいにネットショップの規模が拡大し、手に余るような状況になれば段階的に外部の管理代行業者に商品管理、顧客管理などを部分的に委託することになります。
なお、集客については、専門知識が必要なマーケティングやSEO対策などがありますが、これらについては時期を見て外部の専門家に委託にするのがよいでしょう。
3 どの程度まで予算を割けるか
商店街や組合では、組合を維持して行くためにネットショップ構築・運営にどの程度の予算が割けられるのかが最も切実な問題になります。
大切なことは商店街や組合がネットショップを構築・運営することにより組合の財政を圧迫し、これまでの事業や管理運営が滞ることがないよう余裕を持たせたネットショップ構築・運営でなければなりません。
それには、
〇商店街や組合の財政状況に見合ったネットショップの構築
〇参加する店舗に事務局経費について応分の負担を求める
・運用に係る経費について一定割合の負担
・収益分からの一定割合の拠出
などがあります。
4 ネットショップ(ECプラットフォーム)の種類と特長
一口にネットショップ(ECサイト)といっても今では様々なECプラットフォームが存在します。
商店街や組合が一からECサイトを立ち上げ、運営してゆくにはどのECプラットフォームを選べばよいのかが最も悩ましい問題になります。
初期費用、運営の費用、難易度などと集客効果などを考え合わせた上で、どのようなサイトが最適なのかをしっかりイメージしながら構築するECプラットフォームを選択する必要があります。
ここでは、現在あるECプラットフォームについてその特長などを見てゆきます。
主なECプラットフォームには、以下の5つのタイプが存在します。
・ECモール
・ショッピングカートASP
・ECパッケージ
・オープンソース
・フルスクラッチ
(1)ECモール
ECモールは大きく分けて
・テナント型
・マーケットプレイス型
に分けられます。
<テナント型>
楽天市場やヤフーショッピングがこのタイプになります。
商店街やデパート内の一区画を「テナント」として借り受け、テナント料に相当する「出店料」を支払うことで出店できる仕組みになります。
モールの運営側としては、出店する場所を提供するだけで、商品登録や売上計上、受注管理といった業務は、出店者が自ら行う必要があります。
<マーケットプレイス型>
代表的なサイトとしてAmazonがこのタイプになります。
テナント型が「出店」という形を取るのに対し、マーケットプレイス型は「出品」という形を取るのが大きな違いで、マーケットプレイス型は店舗という概念が少なく、商品を出品するだけでEC事業を始めることができます。
商品データそのものをモール側が管理し、注文が入るとモール側が出品者に商品データと購入者の情報を送信し、出品者がそれに従って発送作業を行うという流れになります。
(2) ショッピングカートASP
ショッピングカートASPでは、サーバーを必要とせず、他のECプラットフォームに比べて格段に安く簡単な設定でネットショップを立ち上げることができます。
また、豊富なデザインプレートの活用やある程度のカスタマイズが可能なことなどから、初心者でもオリジナルなサイトを構築することができます。
その他に、
・多様な決済手段の提供
・在庫管理や梱包、発送
・顧客管理機能
・メルマガ配信機能
・リピート通販に関する機能(毎月の自動決済など)
・他のプラットフォームやツールとの連携
など、初心者がネットショップ構築に必要な機能が備わっています。
主なショッピングカートASPとして次のものがあります。
それぞれのカートの詳細はリンクをご覧ください。
①BASE ⇒ 無料ショップ開設なら【BASE】
②Makeshop ⇒【圧倒的!業界No.1コスパ】ネットショップ開業ならmakeshop
③Shopify ⇒ 今日からShopify で販売を開始しよう
④FutureShop ⇒ 売上を勝ち取るために
⑤ショップサーブ ⇒ ショップサーブとは
⑥STORES ⇒ 驚くほど簡単にネットショップが作れる!【STORES】
⑦イージーマイショップ ⇒ 簡単ネットショップ開業
⑧カラーミーショップ ⇒ 【 カラーミーショップ 】
などがあります。
(3) ECパッケージ
ECパッケージとは、ECサイトを運用するうえで必要な掲載する文章、画像などのコンテンツ、ブログ機能、メルマガなどの基本機能を最初からパッケージにして販売されているものです。
また、さまざまな機能をオプションとして追加することもでき、ニーズに合わせてカスタマイズもできます。
ただし、費用は高額で億単位での高い年商を目指す、大規模なECサイト向けになります。
(4) オープンソース
オープンソースは、ネット上に公開されている、プログラミングされたソースコードを利用してサイトを構築する手法です。個人でブログサイトやHPを作成できるWordPressなどが有名です。
ソースコードとは、サイトを作るための設計図のようなもの。すでに出来上がっている設計図を使い、アレンジを加えながら自分のサイトを構築していくイメージです。
高度なプログラミングのスキルが必要になります。
(5) フルスクラッチ
フルスクラッチとは、すでにあるシステムやソフトウェアを使わずに、1からサイトを作っていく手法です。
莫高度なプログラミングのスキルと時間がかかりますが、そのぶん思い描く通りのサイトを作ることができます。
5 商店街や組合に最適なECプラットフォーム
商店街や組合が、初めてネットショップを構築するには、ショップの規模、トータルの費用、構築・運営のしやすさなどを考えて決めなければなりません。
モール型などと比べて比較的簡単かつ安価に導入できることから、初めてネットショップを始めるという商店街や組合にとっては「ASP型ネットショップ」が最適です。
ASP型ネットショップは、
・初期費用や毎月の固定費がかからない無料版ASPがある
・ネットショップで商品の販売に必要なサービスがセットとして一式備わっている
・レンタルサーバーが不要
・販売方法やショップのデザインのテンプレートが豊富に用意されている
・顧客の情報が管理できる
・短時間でショップの立ち上げができる
一方で、モール型のようにショップそのものの知名度がないため、集客は一から行わなければならず、SNSをうまく使って商品をPRする必要があります。
ASP型ネットショップには無料版と有料版ASPがあります。
その違いは、
<有料版>
・デザインや機能が豊富
・登録できる商品数が多い
<無料版>
・テンプレートの数や機能にある程度の制限がある
などの違いはあるものの、有料版の低価格プランと比べると実用上、ほとんど差がないものもあります。
商店街など組合として、初めてネットショップを立ち上げる段階として、ショップへの参加店舗数や出品する商品などを勘案した場合、まずは一通りの機能が揃っていれば初期投資や毎月の固定費がかからない無料版から始めるのも得策と言えます。
主なASP型ネットショップの特長、費用などについては、参考として次のリンクをご覧下さい。
⇒ 「安く簡単にだれでも立ち上げることができるASP型ネットショップは?」
5 まとめ
商店街などの組合が初めてネットショップを構築・運営するには、かかる経費に対する予算措置と組合としての実施体制をいかにして整えるかがポイントになります。
なるべく安い構築費と運営費、さらに初心者が扱いやすいネットショップをと考えれば、先ずはASP型ネットショップから始めるのが最適です。
組合の実施体制については、組合事務局に実施本部を置き、パソコン操作やネットショップ経験者などを中心にサイトのアドバイスを得ながらショップの運営を行って行くことになります。
いずれにしても、組合全体としての合意を得て多くの参加店舗を集めて開始するに越したことはありません。
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