京都の地域密着型 合同会社「KICS」とは!

合同会社「KICS」は、商店街・加盟店とのネットワークを活かしたサービス提供による「キャッシュレス化」「ネット通販」「物流効率化」を支援することで、地域商業の活性化を目的とした会社です。

「KICS」は、1992年に8商店街で「きょうと情報カードシステム」という任意組織でスタートしました。
2006年(平成18年)5月1日に法人化(合同会社)し、2010年7月に社名を「合同会社KICS」に統一し、現在では約1200店舗、事業所が加盟しています。
現在、主にカード一括処理事業、ネット通販事業、物流事業を展開しています。

ここでは、京都の中小小売事業者にとっての支援組織である合同会社「KICS」について、その特徴、事業内容などを紹介します。

1. 事業内容

合同会社「KICS」が行っている事業は次の通りです。

①カード一括処理事業
加盟商店街・団体傘下の店舗に対し、クレジットカード(およびデビットカード)決済端末
の設置・決済処理を、KICS が複数カード会社と一括契約・一括処理する仕組みを提供して
います。

②ネット通販サイト運営
KICS が運営する通販サイト「きょうとウェルカム」を通じて、加盟店舗のネット出店支援
を行っています

③物流事業
加盟店舗からの宅配便/配送コストを削減するため、運送会社(例:大手宅配便会社)と
まとめて契約し、集荷・配送データを一括管理する仕組みを構築しています

◆「KICS」の特徴

・小規模店舗や商店街が個別にカード決済端末を導入・処理契約するのはコスト・運用負担が
大きくなるが、「KICS」 が行う「カード一括処理」は、まとめて処理・契約・端末設置を
行うことで加盟店舗側のコストや手続きのハードルを下げている点が強みになって
います。
・決済・物流・ネット販売を一体化して支援する「商店街・地域店舗向けトータル支援
モデル」であることが、他地域ではほとんど例がない商店街、小規模店舗にとっての
強力な支援組織になっています。

2. 「KICS」のカード一括処理とは

通常、各店舗はカード会社ごとに契約を結び、端末を設置して決済を処理します。
しかし、これでは個別契約のため「手数料が高い」「管理が煩雑」「入金が遅い」などの課題が
出ます。
「KICS」は、これを商店街・組合単位でまとめて代行することで、京都の中小店舗でも
効率的・低コストでカード決済を導入できるような仕組みになっています。

カード一括処理の仕組み

「KICS」が提供する「カード一括処理」のサービス内容と仕組みは以下のようになります。
ただし、加盟店はこのサービスを受けるには、加盟店が所属する商店街、商業団体が「KICS」の加盟団体でなければなりません。

<サービスの仕組み>

・加盟店がKICSを通してカード決済端末を導入

・お客様が店舗でクレジットカードを利用

・決済データがKICSを経由してカード会社に送信

・カード会社 → KICS → 加盟店 の順で代金が入金

・手数料精算などもKICSがまとめて処理

「KICS」では現在、下図のように使える決済手段は60種類を超えています。

◆加盟店側のメリット

「KICS」に加盟することにより、加盟店側に次のメリットが生まれます。

・コスト削減   
個別契約よりも低い手数料率で利用可能

・事務作業の削減
契約・精算・カード会社との交渉を「KICS」が代行

・端末導入が容易
「KICS」が推奨端末をまとめて提供・保守

・資金管理が安定 
KICS経由で入金が一括処理されるため資金繰りが明確

・中小店舗でも導入可
商店街単位での導入により個人店でも参加しやすい

3. ネット通販サイト運営とは

「KICS」では、「インターネット事業」として、2000年10からネット通販サイト 「きょうとウェルカム」を自主運営しています。

このサイトでは、KICSが展開している「カード一括処理事業」「物流合理化事業」などの仕組みを活用して、加盟商店街・加盟店舗の商品をネット通販で取り扱っています。

◆仕組み・内容

・加盟している商店街・商業団体等の加盟の店舗を、「きょうとウェルカム」の出店者として
ネット通販の場に載せる「地域商店共同通販サイト」としての機能があります。

・商品の登録・販売ページの運営・受注処理・決済(KICSのカード一括処理システムを活用)
・物流手配(KICSの物流合理化ネットワークを使える)というワンストップの体制により
運営
・京都の老舗・名店・商店街加盟店などが多数出店しており、伝統工芸品、食品、雑貨、
おみやげなどを全国販売
・加盟店舗は、KICSが提供する決済処理・物流サービスを利用して、低コストで出店可能
・出店料は一般的なモールよりも安価

4. 物流事業とは

KCS」では、商店街・加盟店の配送コスト・物流業務の効率化を図るため、大手運送会社
(ヤマト運輸と佐川急便)と一括で契約し、独自のシステムを構築し、運輸会社のこれ迄行なっていた送料請求書作成・配布、集金、現金管理業務をなくし、大幅な送料の削減を実現して
います。

◆仕組み

①加盟店・商店街からの集荷
・KICSに加盟している店舗・商店街から、日々の発送商品を集約
・個別の店舗が直接運送会社と契約する必要はなく、KICSが一括管理・取りまとめ
・小口配送でも、まとめて集荷することで送料コストを削減
・「KICS」は物流ハブとして機能

②配送業者との一括契約
・KICSが大手運送会社(ヤマト運輸・佐川急便)と契約を結び、全国への配送を一括で管理
・加盟店単位ではなく、KICS全体の出荷量として契約するため、料金の割引効果がある

③データ管理・精算代行
・集荷・配送のデータ(荷物数・金額・送り先など)をKICSが一括管理
・加盟店に代わってKICSが運送費を立て替えることで、店舗は個別の支払い手続き不要
・出荷実績はオンラインで確認可能で、管理や帳簿処理も簡単

5. 事業者が「KICS」に加盟するには

店舗等が新たに「KICS」の事業に参画するには次の手順によります。

① 参加希望店舗などが「KICS」の加盟団体の加盟員であること
・参加希望店舗が直接「KICS」と個別契約」ではなく、まず「あなたの店舗が所属している
商店街・団体が「KICSの加盟団体」であることが必要です。
・「KICS加盟団体」とは、商店街、商業団体などが該当し、現在50団体があります。
・参加希望店舗がどこの加盟団体にも所属していなければ、50団体のどこかに加盟する
必要があります。

② 所属団体(商店街組合や業種団体)に問い合わせる
・参加希望店舗が「KICSの加盟団体」に加盟しているか」、どこの商店街または商業団体にも
属していない場合は、いずれかの「KICSの加盟団体」に加盟しなければなりません。
・加盟団体の事務局を通じて、KICS加盟の案内・説明を受けます。

③ KICSの加盟申込みフォームに必要事項を入力・提出
・事業者情報・事業所(店舗)情報・利用サービス(カード事業・物流事業・通販事業)など
を入力します。

④ 添付書類
・事業者の住所・電話・代表者名、生年月日(法人の場合は法人番号)
・店舗(事業所)情報:住所・電話・業種・営業日時・銀行口座情報など
・利用するサービスに関する情報:例えば「カード事業」なら決済端末の設置環境
 (光回線・LAN・POSレジ)など
・各種証明書類
営業許可証・賃貸契約書・登記簿謄本(法人の場合)・通帳のコピー等

5.まとめ

京都の合同会社「KICS」は、1992年に設立された地域密着型の企業で、商店街や小規模店舗向けに決済・通販・物流の支援サービスを一体で提供しています。
主な事業は、クレジットカード端末の導入や決済処理を一括で管理する「カード一括処理事業」、商店街や加盟店向けのネット通販サイト運営を支援する「インターネット事業」、そして加盟店の出荷をまとめて配送する「物流事業」です。
これらの事業を通じて、中小小売事業者の収益改善などを通して、地域商業の活性化に大きく貢献しています。

これから「キャッシュレス決済」に切り替えたいが、どうしたらよいかわからないとお考えのまちの小売店などは、まず「KICS」の「カード一括処理事業」に参加してみたらいかがでしょうか。

   ホームページ ⇒ https://kyoto-kourisho.com/kics/