2024年の記録的な猛暑は個人の消費にどのような影響をもたらしたのか、東京巣鴨の「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる「地蔵商店街」からのリポートです。
<毎日新聞の特集記事(2024/11/16>からの抜粋
目次
◆まちはにぎわうのに売り上げが伸びない!
商店街は友人らとの外出を楽しむ高齢者で町はにぎわっているが、ある洋品店主の嘆いています。
・7月に夏物のバーゲンを行い8月には秋物の販売をスタートさせたが売れない。夏物も売れていない
・年金暮らしのお年寄りは着るものを我慢してその分を食費に回している。
◆気温が上昇すると外出が増え、消費が刺戟される!
「気温が上昇すると外出が増え、消費が刺戟される」というのが経済エコノミストたちの定説ですが、次のような一定の猛暑効果はあったようです。
・4~9月期のエアコン出荷額前年同期比で9.4%増加(日本電機工業会)
・巣鴨の商店街では週末にはソフトクリームが100~200個は売れた
◆猛暑効果は暑すぎる場合は事情が変わってくる!
第一生命経済研究所の調べによると、気温が35度以上になると消費の傾向が次のように変わってくるようです。
・真夏日では気温が高いほど消費が増える傾向があるが、猛暑日では気温が上がるほど消費は減退する。
その理由として
・熱中症への警戒により不要不急の外出を自粛
巣鴨の商店街の衣料品店の店長は「夏場は人の出入りが極端に少なく売り上げは例年の半分程度」と悲鳴を上げています。
◆猛暑の影響は生鮮品の売上に悪影!
・内閣府の景気ウオッチャー調査によると、
「9月になっても気温の高い日が続き、秋物商材の売上が振るわない」(東北の衣料品専門店)とのコメントが寄せられています。
・猛暑と天候不順で食品特に野菜類の価格高騰が大きく響き、地蔵商店街の青果店店主は「果物にまでお金をまわせなくなっており、果物はぜいたく品になりつつある」と嘆いています。
◆暑さが収まっても高価なものは売れない!
巣鴨の商店街からは、次のような悲痛な声が上がっています。
・賃上げの波及効果なんてない
・店がどんどんやめていっている
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〜気候変動 世界経済に打撃〜
「国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)」では、次のように警鐘を鳴らしています。
・地球の温度が1度上昇すれば、世界のGDPが12%減少する 。
・気候変動は農作物の収穫量を減らし労働者の生産性を低下させ、「今世紀末には人々は50%貧しくなるかもしれない。」
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