これまでお店の集客方法としてチラシ、DMやメルマガが主流でした。
しかし、このごろではインターネットの発達に伴いスマホなどの携帯端末の普及により手軽に情報を得られるスマホアプリの利用者が急速に増えています。
さらに、キャッシュレス決済の普及により、これに対応している店舗アプリは格段に利便性が高く、若い世代を中心に店舗アプリの利用者が増加している傾向が顕著になっています。
これからも店舗アプリは、顧客にとって様々な情報取得・購買ツールとして、店側としては効率的な集客方法として店舗アプリのニーズが高まってゆくものと思われます。
ここでは店舗用アプリについて
・主な機能
・活用方法
・導入方法
・導入に係る費用
などについてその概要を説明します。
目次
1 店舗アプリとは
店舗アプリは、飲食店・小売店・美容院などの店舗が顧客に提供しているスマートフォンアプリのことで、
・取り扱い商品の紹介
・イベントなどの情報を発信
などの目的で使用され、顧客との接点を維持して関心を引き付けることを目的としています。
また、店舗アプリは、キャッシュレス決済に対応しており、利便性が高く、キャッシュレス決済に慣れた若い世代を中心に利用者が急増しています。
<店舗アプリとWEBサイトの違い>
自店のWebサイトと店舗アプリはその目的と記載されている内容が似ていますが、次のように明確な違いがあります。
◆どちらかというとWebサイトは新規顧客獲得、店舗アプリはリピーター向け
Webサイトは店舗を多くに人に知ってもらい、来店を促す新規顧客の獲得を目的としたものが多く、店舗を利用したことがない人を対象としていますが、店舗アプリはアプリをダウンロードしてもらい、主に来店歴のあるリピーターに向けて発信する手段になります。
また、WebサイトやSNSを通じてプロモーションすることにより、新規顧客の獲得にもつなげることができます。
◆店舗アプリは素早い情報更新が特長
店舗アプリは、Webサイトよりも情報更新が容易で、クーポンやセール情報をいち早く顧客に届けられます。アプリ利用者はリピーターが多く、店舗の魅力や利用メリットをこまめにアピールして再来店を促し、顧客を定着化していくことが可能です。
◆Webサイトは読み込み型、店舗アプリはインストール型
Webサイトはその都度ページの読み込みを行うが、店舗アプリは事前にダウンロードしてあるため通信環境の影響を受けず、手軽にアクセスできることからWebサイトに比べ見てもらう頻度が格段に上がります。
2 店舗アプリで何ができるのか/アプリの機能
これまで、店舗を訪れたお客さんにしかできなかったサービスを店舗アプリで行うことにより、簡単に多くの人との接点を作れることができ集客・リピーターの確保に結び付けることができます。
店舗からの様々な情報発信の他に店舗アプリが持っている機能についてみてゆきます。
(1) アプリ上で会員登録と会員証を表示することができる
これまでの紙の会員カードを持ち歩く必要がないことから紛失したり汚損の心配がない他、次のような便利な機能があります。
・バーコードなどで会員証を提示するため、記名の必要がない
・他の会員証など何枚も持ち歩く必要がない
・顧客である会員がアプリから個人情報の登録を行うので、店側としては従来のような
紙による登録データの保管や管理を行う必要がない。
(2) ポイント・スタンプカードの発行で顧客の繋ぎ止めができる
これまで店頭で配っていたポイントードやスタンプカードに変わり、デジタル化されたカードをアプリで表示させることができます。
紙やプラスチックのポイントカードでは、かさばり持ち歩くのが面倒ですが、アプリで登録されたものであればこれらを持ち歩く必要がありません。
デジタルによるポイントカードの多くはバーコードで提示するものが多く、レジでの会計金額に連動して自動でポイントが付与されるので、店舗側は付与ポイント数を計算したり、カードにスタンプを押したりする手間がなくなります。また、失効期限が近づけばプッシュ通知で知らせたり、現在の獲得ポイントなどを知らせることができます
(3) クーポンの発行でリピーターの確保ができる
セールなどのイベント時にアプリにデジタルクーポンを配布できます。
デジタルクーポンは、利用期限や利用回数の設定が可能で、例えば顧客の誕生日などの特別な限定クーポンを発行するなど特定の顧客のみへの発行もでき再来店を促すことができリピーターの確保に有効です。
店側としても、紙のクーポンと違い印刷代や紙の費用が節約できます。
(4) プッシュ通知でお客さんとの接触の機会を増やす
プッシュ通知機能は、アプリを閉じていても、アプリに関する通知をスマホ画面上にポップアップや通知音、バイブレーション、ランプ点滅などで知らせる機能で、ユーザーが気付きやすい開封率の高い通知機能です。
店側としては、プッシュ通知機能で、クーポンやセール、イベントなどの情報を自動的に知らせることができ、あらかじめ設定した日時に自動で配信することもできます。
WebサイトやECサイトがある場合にはそれらへのリンクを貼っておけばそれぞれのサイトへ誘導することもできます。
(5) 分析機能で売り上げや顧客管理ができる
アプリからの商品購入、クーポン利用状況などから顧客ニーズを分析することにより、顧客の志向が把握できることから、ユーザーが求める情報を高い精度で届けられるようになります。
また、プッシュ通知の開封率から、通知タイトルや配信時間の改善点などを分析することができます。
(6) ECサイトへ誘導することができる
アプリ内に自店のECサイトへ誘導する経路を設けることで、実店舗への来店だけでなく自店ECサイトへの訪問、購入までを促すことができます。また同時にECサイトでの購入の際に使用できるクーポンを配布することもできます。
ECサイトへの誘導方法としては、QRコードの設置やメニューや商品画像などにリンク付けをするなどの方法があります。
3 店舗アプリを導入することによるメリット
まちの栗店ではこれまでチラシ、メルマガ、ホームページ、SNSなど自店や商品・サービスを宣伝・PRしてきていますが、新たに店舗アプリを導入することによりどのような効果・メリットが生じるのか見てゆきます。
◆ 新しい顧客への接点ができる
これまで接する機会がなかった人が店舗アプリをダウンロードしてくれることにより、新たな接点ができることにより、新規の顧客になってくれる可能性が生まれます。
◆ リピーターを確保することができる
アプリでクーポンの発行やセール、イベントの情報を発信することで顧客の繋ぎ止め、リピーターの確保ができます。
◆ 自店ECサイトへの誘導ができる
自店でECサイトを運営している場合は、アプリ内に誘導する経路を作っておくことで容易にECサイトへの誘導を行うことができます。
◆ 顧客情報、販売データなどから自店の経営改善を考えることができる
アプリの内容にもよるが、アプリに備わっている情報収集、分析機能を使うことにより、顧客のニーズ、売れ筋商品、売り上げ傾向等を把握し、店舗の経営改善や今後の戦略を練ることができます。
4 店舗アプリの作成・導入方法
店舗アプリを自分の店舗で導入したいと考えていても、どんな機能が必要なのか、費用はどれくらいかかるのか、自前で作ることができるのかなど多くの疑問が生じます。
自店オリジナルの店舗アプリの導入方法などについてみてゆきます。
(1) 店舗アプリを導入するまでに準備しておかなければならないこと
自店への集客や販促のための方法は数々ありますが、それらの方法の一つとして店舗アプリの導入を考えるとき、後々後悔しないため、
・自店の集客の課題
・店舗アプリに必要な機能
・割ける予算
などを検討しておく必要があります。
■ 自店の集客の現状から課題を洗い出す
現在の自店における集客状況から課題を見つけ出します。
現在行っている集客・販促のための方法で具体的な課題を洗い出します。
■ 課題に対応しての店舗アプリに持たせる機能
店舗アプリの機能は上記に書いていますが、アプリに搭載すべき必要な機能は集客、リピーターの確保など自店の経営形態・規模・課題に対してそれらに対応する機能を選択します。
店舗アプリの機能については前記の通りですが、それをまとめると次のようになります。
・会員証・ポイントカード機能
・クーポン機能
・商品閲覧・ECサイト連携機能
・予約機能
・SNS連携機能
・ブログ機能
・位置情報・プッシュ通知機能
■どの程度まで予算を割けるか
多くの機能を持たせた店舗アプリを導入するのはそれ相応のコストが必要になるので、自店の経営を圧迫しないよう、まずは経営形態、経営課題に見合う機能を盛り込み、導入効果などを見ながらカスタマイズも含めて徐々に機能の改善や追加をしていった方がいいでしょう。
(2) 店舗アプリはどのように作成するのか
店舗アプリの導入には、
・フルスクラッチ
・アプリプラットフォームの利用
の二つの方法があります。
フルスクラッチ開発とは、プログラムを最初から設計し、アプリケーションを一から構築する方法です。
店舗が必要な機能を余すところなく搭載することができますが、時間・費用がかかりまちの小売店舗では現実的ではありません。
それよりも、あらかじめ用意されたテンプレートやパーツから柔軟に組み合わせてカスタマイズすることで、すぐにイメージ通りのアプリを制作できるアプリプラットフォームの方が適しているといえます。
アプリプラットフォームは中小規模の店舗がアプリによる集客対策をすぐにスタートさせたい場合に向いている方法です。
アプリプラットフォームには、最低限、プッシュ通知、ポイント・スタンプカード提示、クーポン発行を存せていることが必要で、できればデータ収集・分析機能を備えたものが望ましいです。
店舗オリジナルのアプリ開発を委託するには、短くて20日から1ケ月程度で済むものもあり、費用も含めて委託業者と協議することから始めます。
ここで、参考として、アプリ開発業者を探すことができるサイトを紹介します。
⇒あなたにぴったりのアプリ開発会社がわずか1分でさがせる!
5 店舗アプリ導入の費用
小規模店舗がアプリを導入するには、委託業者と契約し、既存のプラットフォームを自店に適した形にカスタマイズするのが費用、導入までの期間を考えた場合に最も適した方法になります。
費用については、初期費用と月額費用が必要なケースがほとんどで、要求するアプリの機能などにより様々で、自店の規模、経営形態、要求する機能などから見積もりを取りながら委託業者と協議します。
ここで、参考として「GMO おみせアプリ」と「アプリメンバーズ」から利用料金の一覧を紹介します。
⇒ アプリメンバーズ
6 まとめ
これだけスマホが普及すると、小売業界においてもこれを見逃すわけにはいきません。
実店舗の経営とは別にスマホに特化した集客アイテムが必須になっているのです。
それが、LINEであり、店舗用のアプリです。
これらは、うまく使えば自店の情報・PRをまだ見ぬお客さんに簡単に届けることができるほか、リピーターの確保にも強力なツールになります。
店舗アプリは、インストールして初めて使ってもらえるものなので、店側としてはまず店舗アプリがあることをまだ見ぬお客さんに知ってもらうことから始めなければなりません。
そのためには自店のホームページやSNSで宣伝する必要があります。
いずれにしても、店舗用アプリはダウンロード数が増えればそれにつれて利用客数が増え、新規顧客とリピーターの確保につながってゆきます。
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