商店街が付近の人のスマホに広告・宣伝を届ける方法/「Google広告」で集客する方法とは!

商店街の「イベント・セール」などの情報は、その多くは新聞折込のチラシやダイレクトメールなどで、顧客や近隣住民に届けています。
これには、それなりの手間と費用がかかります。
黙っていても人が来てくれる商店街ならまだしも、衰退が叫ばれている商店街では、厳しい台所事情から少しでも広告・宣伝費を削りたいところです。
現在、インターネットを活用して広告・宣伝を行う手法が数多くあります。
もう今では、若者からお年寄りまで肌身離さずスマホを携帯しています。

このスマホに商店街や個店の情報を何とか届けられないものか

これができれば商店街の認知度が格段にアップし、集客にも大いに効果があるものと考えられます。
不特定多数のスマホに商店街などの広告・宣伝を届ける方法としてよく使われる方法として
・ジオターゲティング広告(位置情報広告)
・LINE公式アカウント
・SNS広告(Instagram・Facebook・X)
などがあります。

ここでは、これらの中でも、商店街のイベントなどの告知を広範囲に届ける方法として最も有効であるといわれている「ジオターゲティング広告(位置情報広告)」の中から「Google広告のジオターゲティング」について触れてゆきます。

1. 「ジオターゲティング広告(位置情報広告)」とは

「ジオターゲティング広告」とはユーザーの現在地や過去の訪問場所などの位置情報データを利用し、その場所に応じて最適な広告を配信する手法のことです。
スマートフォンのGPS・Wi-Fi・基地局データなどをもとに、より精度の高いターゲティングが可能になります。

基本的な仕組み

スマホやアプリから取得した※1位置情報を元に、
・今どこにいるか
・過去にどこに行ったか
などのデータを解析して広告を配信するものです。

※1位置情報
スマホやアプリから取得した「位置情報」とは、**スマートフォンが備えている各種センサーや通信機能から得られる“現在地を推定するもの
 ・GPS・Wi-Fiの接続情報などを元にする
 ・プライバシーの観点からは、広告配信のためのもので、個人を特定するものではない。

ターゲティングの主な種類

①現在地ターゲティング
ユーザーが今いる地点を基準に広告を出す方法
(例) 商店街などの周囲500m~1kmの範囲内にいる人に広告を出す

②ジオフェンシング(Geo-fencing)
特定のエリア(円やポリゴン)を仮想的に設定し、ユーザーがその範囲に入った/出たタイミングで広告配信
 (例) 競合店の周辺に「フェンス」を設定して、来たユーザーに自社広告を配信

③過去の来訪履歴ターゲティング(リターゲティング)
過去に特定エリア(商店街など)に訪れた人に広告配信する方法
(例) 過去1か月以内に自社店舗へ来店した人向けの再来店クーポン配信

④天気連動型ジオターゲティング
位置情報に加えて、そのエリアの気象情報も反映する手法
(例) 雨の日に「傘」や「室内娯楽施設」といった広告を出す

配信に利用される媒体

・Google 広告(検索広告・ディスプレイ広告)
・Meta広告(Facebook/Instagram)
・LINE広告
・DSP(Logicad、ScaleOutなど)
・アプリ広告ネットワーク

◆メリット

・来店・来場など「オフライン行動」を促すのに強い
・ユーザーの状況に合わせたパーソナライズが可能
・無駄な配信を減らし、費用対効果が向上
・競合店周辺でのプロモーションができる

デメリット・注意点

・位置情報の精度は環境に依存(建物内などで誤差が出る)
・プライバシー規制(例:iOSの位置情報取得制限)の影響を受けやすい
・過度な追跡はユーザーに不信感を与える可能性

以降からは、最もよく使われているGoogle 広告のジオターゲティングについて説明します。

2.Google広告のジオターゲティング

Google広告のジオターゲティングは、ユーザーの現在地や場所に関連する検索キーワード に基づいて、広告を特定の地域にだけ表示する仕組みで、商店街の集客にも非常に相性が良い機能です。

(1) 広告を配信できる範囲の種類

① 特定エリアを指定(半径指定)
  店舗、商店街の住所を中心に半径1km〜数十km の円を設定して配信可能

 (例)
  ・○○商店街から半径2kmにいる人に広告表示
  ・近隣住民+駅から徒歩圏内にいる人だけ

② 市区町村・都道府県単位で指定
地域が広い場合に利用
 (例)
  ・京都市上京区だけ
  ・京都市全域

③ 地域名を検索した人に配信
その人のいる場所は遠くても
・京都上京区北野商店街
・京都駅 買い物
など地域に関連する検索をした人に広告を出せる

(2)商店街で使用する場合の設定

 商店街で使用する場合に、次のような内容で設定することができます。

①「現在地」+「半径ターゲティング」
・実際に商店街の近くにいる人、通行者のスマホに広告を出せる
・来街可能性が最も高い層
 (商店街の近くにいる人など)

②表示できる内容
・商店街のイベントのお知らせ
・商店街のセール情報
・店舗紹介
・マップ付きの来街誘導広告
・店舗公式サイト・Instagramへの誘導

(3)費用の目安

Google広告はクリック課金となっています。
・1クリック 20〜80円程度(商店街向け一般キーワード)
・1日1,000〜3,000円の予算でも運用可能

(4)広告設定の方法・手順

①Google広告アカウントを開く
②新規キャンペーン → 「来店・販促」を選択
③配信地域 → 「半径ターゲティング」を設定
④キーワード設定
⑤広告文・リンクを入力
⑥予算設定(1日1,000円〜OK)
⑦公開

Google広告アカウントの作成方法

①管理用メールアドレスが必要
・Gmailが必要

② Google広告のサイトにアクセス
・公式URL ⇒ http://ads.google.com
このサイトから以降の設定を行います。

③「エキスパートモード」 を選ぶ
・商店街向けのジオターゲティングなど細かい設定を行うには必ずエキスパートモードに切り替える

④ キャンペーンを作らず「アカウントのみ作成」
・最初は広告を作らずにアカウントだけでOK

⑤ アカウントが完成
・請求情報(クレジットカード)
・会社名(商店街名でもOK)
・住所または所在地

⑥アカウント作成後、次の項目を設定
・商店街の 半径ターゲティング
・イベント告知用の広告作成
・1日予算の設定(最低100円〜)
・広告効果の測定(来店数の推定など)

3 まとめ

Google広告のジオターゲティングとは、広告を特定の地域にいるユーザーへ優先的に配信する仕組みで、ユーザーの現在地や普段行動している地域、または地域名を検索した情報をもとに、広告の表示対象が決まります。

特に商店街や地域密着型の店舗では、来店につながりやすいターゲットへ絞って広告を配信できるため、最も費用対効果の高い方法といえます。

Google広告のジオターゲティングは「地域×意図」を精密に絞り込みながら広告を表示する技術であり、商店街やローカルビジネスの集客に最適な仕組みになっています。

商店街においては、現在地が近いユーザーを半径ターゲティングで確実に捉えることが、来店率を最大化する最も重要なポイントです。