【キャッシュレス決済】を導入する前に知っておきたいこと/導入方法など

最近では、身近なところでキャッシュレス決済を使うことが多くなり、急速に普及しているように感じますが、経済産業省の集計によると、2024年の我が国のキャッシュレス決済比率はようやく42.8%に達し、政府目標の40%を突破したようです。

それでも、海外に目を向けると、日本の42.8%は韓国の99%、中国の83.5%より相当低い普及率と言わざるを得ない状況です。

インターネットでモノを買ったり、様々なサービスを受けるにはキャッシュレスが必須ですが、まちの小売店に出向いて買物をする場合、次第にキャッシュレスに対応していない店は敬遠される風潮が高まってくるのではないかとの懸念があります。

ここでは、まだキャッシュレスをまだ導入していないまちの小売店などの小規模店舗がこれからキャッシュレスを導入するために必要なことや注意点などを紹介します。

1 キャッシュレス決済の種類

現在、使われているキャッシュレス決済には次の6つの方法があります。
  ①クレジットカード
  ②デビットカード
  ③プリペードカード
  ④電子マネー
  ⑤QRコード決済
  ⑥スマホアプリ決済

支払い方式として、
・前払い (プリペイド型)
 事前にチャージした金額の範囲内で即時支払
・即時払い (ポストペイ型)
 登録した銀行口座から即時引き落とし
・後払い (デビット型)
 後日、代金引き落とし
に分類されます。

キャッシュレス決済のそれぞれの特長は次のようになります。

➀ クレジットカード
― 後払い ―
キャッシュレス決済の中でも最も広く普及している方法です。
消費者・店舗・クレジットカード会社の3者間で決済する仕組みです。消費者がクレジットカードを利用すると、クレジットカード会社が店舗に対して利用代金を立替払いし、後日指定の支払日に利用額が利用者の口座から引き落とされます。
店舗への入金日は、月末に設定されていることが多いですが、決済代行会社によっては毎月10日、15日、25日払いといったように日にちで設定されているケースもあります。
原則として、1ヶ月ぶんの売上が毎月決まった支払日に入金されるという仕組みです。

デビットカード
― 即時払い ―
デビットカードとは、カードを使ったと同時に、そのカードに登録している銀行口座から利用した分の金額が引き落とされる仕組みを持つカードです。
買い物時などで銀行やATMに立ち寄って現金を引き落とす手間が省けるだけでなく、独自のポイントプログラムや付帯サービスもあるため、現金でお買物をするよりも利便性が高いカードです。
また、クレジットカードとは違い、銀行口座の残高以上のお買い物はできないため、使いすぎで支払いができないなどのトラブルを回避することもできます。
デビットカードには次の2種類があります。

J-Debit
キャッシュカードをそのままデビットカードとして用いるキャッシュカード一体型タイプ のデビットカードで、「J-Debitマーク」がある加盟店で使うことができます。

ブランドデビット
VisaやMastercard®、JCBといった、クレジットカードの国際ブランドがついたデビットカードで、クレジットカードと同様にスーパーやコンビニ、レストランなど、さまざまな店舗で使うことができます。

プリペードカード
―前払い ―
あらかじめ現金をチャージして使用する前払い式のカードで、利用者は、カードを購入も しくはカードに入金し、入金額の範囲内で利用できる前払い型のカードです。
審査不要で発行できるため、比較的誰でも容易に利用できます。

④ 電子マネー
―前払い ―
電子データのやりとりで決済を行う決済サービスのことで、現金をデジタル化しているため、支払いも決済もオンラインのみで完結します。
利用者は、電子的なデータのやり取りを通じて、現金と同じようにものを買ったりサービスを受けることができます。
代表的な電子マネーとして、
交通系(ICOCA、Suica、Pasmo)、流通系(楽天, Edy、WAON,nanaco)があります。

➄ QRコード決済
スマートフォンを利用した決済の一種で、利用者のQRコード読み取ることで決済が行われます。
店舗側のバーコードリーダーで利用者のアプリに表示されているQRコードを読み込んでもらったり、店舗の端末機の画面や紙に表示されているQRコードを利用者のアプリから読み込んだりすることなどにより、スピーディーな決済を行うことができます。
QRコード決済は、PayPay,楽天Pay,LINEPayなどがあります。 

スマホアプリによる決済
クレジットカードやデビットカードをスマホに登録して、タッチ決済やQRコード決済を行います。
Apple PayやGoogle Payなどのプラットフォームを利用して支払いを行う方法です。

2 「キャッシュレス決済」導入前の準備

これから自店にキャッシュレス決済導入を行おうとしている「まちの小売店」などでは何をどのように準備すればいいのかを紹介します。

(1) キャッシュレス決済に必要なもの

これからキャッシュレス導入を行おうとしている店舗にとって最低限準備しておかなければならないものとして、次のものがあります。
・スマホまたはタブレット
・キャッシュレス決済端末
・レシートプリンター
・キャッシュドロア

◆キャッシュレス決済に必要なレジ
キャッシュレス対応ができるレジは、スマホやタブレットで使える「POSレジアプリ」が必要になります。

レジを大まかに分類すると次の3種類になります。
・POSレジ
・POSレジアプリ
・従来のレジ

それぞれの機能などを比べると以下のようになります。

※「POSシステム」とは
会計時に売れた品物と売り上げの決済情報を自動で集計・管理してくれるシステムのことで、販売データを即座に「在庫管理」や「売上分析」に反映して、PC・スマホ・タブレットなどの端末から確認できるものです。
「POSシステム」は、主に大型量販店、スーパー、コンビニなどで使われているもので、導入費用が高くつき、まちの小売店などの小規模店舗への導入には不向きです。

ただし、「POSレジアプリ」であれば、低コストで「POSレジ」と同じ機能を使うことができます。

POS機能のない昔ながらのレジは「POSシステムの在庫管理や売上分析を自動化できない現金決済が前提になっているので、小規模店舗のキャッシュレス導入にも向いていません。

(2) 「POSレジアプリ」とは

「POSレジアプリ」とは、スマホやタブレット上で「POSレジ」と同じような機能を使えるアプリのことで、このアプリをスマホやタブレットにダウンロードすることでPOSレジと同じ使い方ができます。 
「POSレジアプリ」のダウンロードはほとんどが無料で月額料金についてはプランによっては無料で利用できるものもあります。

まちの小売店などの小規模店舗で現在利用できる主なPOSレジシステムは、次の5社があります。
※各社のキャッチコピーと「ホームページのリンクを表示していますので詳細はこちらからご確認ください

スマレジ   ⇒ 0円から誰でも使えるスマートレジ

Airレジ ⇒ 0円でカンタンに使える

STORESレジ ⇒ 無料で始められるクラウド・POSレジアプリ

◆ Squareレジ ⇒ 設定も操作も​簡単シンプルなPOSレジ

◆ ユビレジ   ⇒ 売上アップの「ユビレジ」

「POSレジアプリ」の各社の費用、機能な度をどの比較は次の通りです。

※各社の特長、月額料金の詳細については、上記のリンクから各社のホームページなどでご確認ください。

(3) 決済端末機を用意する

お客さんが望む決済方法に応じられるよう決済端末機を導入します。

・決済端末機は、端末機1台でクレジットカード、QRコード、電子マネーなどの決済に対応できるマルチ決済型が主流となっています。
・決済端末機の導入は、「POSレジアプリ」とは別に契約する必要があります。
・決済端末機導入の初期費用は、端末機の購入代金のみで、導入後は、キャッシュレス決済による売上の2%から3%程度を「決済手数料」として支払って利用することができます。

※「POSレジアプリ」と「キャッシュレス決済端末」は、お互いに連携可能なペア導入することでスムーズな決済や集計業務行うことができます。
例えば、
 ・「スマレジ × PAYGATE」
 ・「Airレジ × Airペイ」
 が挙げられます。

まちの小売店などの小規模店舗で現在利用できる主なキャッシュレス決済端末は、次の5社があります。

※各社のキャッチコピーと「ホームページのリンクを表示していますので詳細はこちらからご確認ください

PAYGATE ⇒ 決済×レジ機能 オールインワン決済端末

AirPay   ⇒ 導入・運用費0円のお店の決済サービス 

STORES ⇒ これひとつで、あらゆるキャッシュレス決済に対応

Square  ⇒ 導入も、​入金もすべてがは​やい決済サービス

楽天Pay ⇒ プリンターも搭載した最新決済端末が無料!

「決済端末」各社の費用、機能などの比較は次の通りです。

(4) その他必要な周辺機器

◆ レシートプリンター
 ・何を選べばいいのかよくわからない、設定方法が難しそうなどという方には、
キャッシュドロアなどの周辺機器やロール紙に設定マニュアルをそろえたパッケージセット
を買うのが安心です。

 (例)AirレジスターターパックSIIレシートプリンター(タブレットなし) ¥57,200 税込

キャッシュドロア
・キャッシュドロアとは、レジで扱う金銭を一時的に保管する周辺機器で、手動開閉タイプ、
 レジ自動連携タイプ、自動釣銭機タイプがあります。店の規模に応じて選択します。
・iPadレジと連動しているものがあり、スマレジのスタンダードプランは無料で導入することが
 できます。

3 まとめ 

これからキャッシュレス決済を導入しようと考えているまちの小売店など小規模店舗がまず知っておきたいこととして、キャッシュレスの種類、 キャッシュレス決済導入に必要な機器などについて、その概略を紹介してきましたが、レジにおけるPOSシステムや周辺機器などの機能は進化を続けており、何をどのように導入したらよいのか、導入経費がいくらかかるのかなどよくわからないという店主の方も多くおられると思います。

キャッシュレス決済導入に際しては、数あるキャッシュレス決済対応のシステム業者に相談し、自分の店の規模に応じたシステムを導入することが大切です。