【キャッシュレス決済】を導入する前に知っておきたいこと|種類、導入方法、必要な機器類、費用

ここでは、まちの小売店などがキャッシュレス化を進めるについて、キャッシュレス化とはどのようなものなのか、

・キャッシュレス決済とは
・キャッシュレス決済の導入方法
・キャッシュレス決済導入に必要な機器
・キャッシュレス決済導入費用

などについての基本を解説しました。

日本の決済手段全体でみると現金支払いがいまだ70%と、日本のキャッシュレス決済比率は諸外国に比べて低く、まだまだ現金支払いが多いのが現状です。
それでも、2019年の消費税率引き上げに伴う需要平準化対策キャッシュレス・ポイント還元事業」を政府主体で行うなどした結果、最近では決済手段におけるキャッシュレスの」比率が徐々に拡大しています。
経済産業省は、キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%まで上昇させることを目指し、キャッシュレス決済の推進に取り組んでいます。

現金を持たなくても外出ができる環境が急速に整いつつあります。

1 キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済とは、現金以外で支払う決済手段のことです。

(1) 種別

 ・クレジットカード
 ・デビットカード
 ・電子マネー(交通系、流通系)
 ・コード決済(バーコード、QRコード)

があります。

これらの他に広い意味では、銀行振込や口座引落もキャッシュレス決済になります。

デビットカードとは?
 銀行口座と紐づけされており、代金は支払いと同時に銀行口座から引き落としされます。
 JCB やVisa、MasterCardといった国際ブランドの付いたカードが主流で、これら国際ブランドの加盟店でクレジット
 カードと同じように使うことができます。
 基本的に発行に審査はなく、銀行口座があれば中学生を除く満15歳以上の方ならご利用できます。


電子マネー(交通系、流通系)とは?
 利用する前にチャージを行うプリペイド方式の電子的な決済手段を指し、交通系、流通系の2種類があります。
 <交通系> ・Suica(JR東日本) ・ICOCA(JR西日本) 他
 <流通系> ・PASMO ・WAON ・nanaco ・楽天Edy ・iD ・QUICPay 

(2) 支払い方式

① 前払い

・電子マネー
 利用金額を事前にチャージしておく必要がある。

② 即時払い

・デビットカード
 支払いと同時に引き落とし

③ 後払い
・クレジットカード
 後日に請求

④前払い、即時払い、後払い
コード決済
 事前チャージ、デビットカードを紐付けられる即時払い型、クレジットカードを紐付けられる後払い型

(3) 読み取り方式
①接触型
カードリーダーなどで直接読み込む方式

②非接触型
カードやスマートフォンを近づけるだけで、近距離無線によって読み取る方式

③コード読み取り型
店頭に置かれたQRコードをスマートフォンの専用アプリで読み取ったり、スマートフォンの専用アプリでQRコードやバーコードを表示させて店舗の専用端末で読み取ったりする方式

2 キャッシュレス決済の導入方法

(1)キャッシュレス決済事業者との直接契約
キャッシュレスを提供しているサービス会社と個別に契約を結ぶ方法です クレジットカードの場合(VISAやJCBなど)は、ブランドごとに個別に契約します。

<メリット>
・手数料を安めに抑えることができる。

<デメリット>
ブランド会社ごとに運用や売上管理を行う必要があるため、手間がかかる。

(2)決済代行業者とのみの契約
キャッシュレス代行業者とは、各キャッシュレスサービスとの契約を取りまとめている業者のことをいいます。 

<メリット>
・複数の決済サービスと契約する必要がないことと、一度の契約で複数のキャッシュレス決済を導入できるので、管理が楽にななる。

<デメリット>
・直接契約に比べて手数料は高め。

3 キャッシュレス決済導入に必要な機器

(1) カード読み取り端末
お客様がクレジットカードや電子マネーなどのICカードでの決済を望んだ場合、お店はカードの読取端末によるカード情報の読み取りが必要になります。

決済端末には大きく分けて次の3種類があります。

 ・据置型CAT決済端末
 ・一体型ポータブル決済端末
 ・モバイル決済端末

①据置型CAT決済端末
カード会社とCAT端末を設置した加盟店とが通信回線によるオンラインで結ばれ、盗難紛 失や有効期限切れカードのチェック、利用限度額のチェックなど信用状況をリアルタイムでチェックするCATシステム用の端末です。

カードリーダーとプリンター機能が一体型のため、周辺機器が不要などのメリットから、これまで多くの端末機として使われてきました。一方で、
・電話回線工事が必要になる場合がある。
・端末自体が高額である。
・導入まで時間がかかる。
・決済手数料が高い。
などの理由から、新規の導入にはメリットがなくなりつつあります。

②一体型ポータブル決済端末
カードリーダーとプリンターに加え、ネット通信が一体となった決済端末です。
決済端末自体にネット通信機能が備わっているため、Wi-Fiや4G回線を使用するワイヤレスなタイプなので電話回線工事が不要で、ネット回線のない場所でも利用できるうえ、レシートプリンターとPOSレジが搭載されているものもあり、これらが据え置き型に比べて大きな メリットになります。

ただし、高機能であるだけに、端末代金自体が高くなります。

③モバイル決済端末
スマホやタブレット端末に接続し、4G回線を利用することで持ち運びが可能な決済端末を指します。
据置型端末と比較して、回線工事・初期費用が安くスピーディーに導入ができます。 また、クレジットカードや電子マネー・QRコード決済など多様な決済手段に対応しています。 

スマホやタブレットがあれば必要な機器はカードリーダーのみなので費用が安くなります。
キャリア通信付き(NTTドコモ、au、ソフトバンク)のモバイル端末を使えば屋外でも利用
することができます。
また、決済手数料が安いことも大きなメリットになります。

ただし、レシートプリンターは付属していないので、必要に応じて別途購入する必要があり、決済端末機としてのスマホやタブレットは店側が用意する必要があります。

4 導入費用

キャッシュレス導入に要する費用はおおよそ次の通りです。

(1) 端末代
導入する決済端末の代金で、
①据置型CAT決済端末  10万円~20万円
②一体型ポータブル決済端末 10万円まで
③モバイル決済端末    2万円まで 

(2)月額料金
 決済端末や決済システムなどの継続利用料金で、無料で使用できるケースがほとんどです。

(3)決済手数料
 キャッシュレス決済での売上発生のたびにかかる手数料で、
 売上の約2~3%

(4)振込手数料
 キャッシュレスの売上が振り込まれるたびにかかる手数料で、無料~300円前後/回

これらのうち、①端末代は初期費用になり、②月額料金、③決済手数料、③決済手数料はキャッシュレスを行っていく上でのランニングコストになります。

圧倒的に安いのがモバイル決済端末で小規模店舗などへの導入に向いています。

5 まとめ

国や各自治体では、キャッシュレス化・DX推進に向けてこれまでになく力を入れています。
今年度に入ってからキャッシュレス化・DX推進を事業として取り組む場合に有利な補助金制度を設け、これらの推進に対し盛んに後押しを行っています。
比較的若い人々は抵抗なく馴染んでいますが、これまでの習慣に慣れてしまっているまちの小売店など、キャッシュレスやDXと声高に言われてもそう簡単に受け入れられないのが実態です。

世の中のあらゆるものがデジタル化に向けて変革している中、この波に乗り遅れることは即、取り残されることを意味するわけで、わからないものは若い人に任せて先ずデジタル化に向けて一歩を踏み出す時に来ているのだと思います。
かって、そろばんが電卓になり、電卓がパソコンに置き換わったように技術の変革とはそのようなものです。

最後の関連する情報として、下記のリンクを掲載していますので、こちらもご覧ください。
 ⇒マルチ決済端末について







    


 

  


  

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