小規模事業者の【DX】|どのような効果があるのか

最近、いろんなところで”DX”という言葉を耳にします。
どうやら、デジタル技術を駆使した新しいビジネスのあり方のようですが、そもそも”DX”とは何なのかを理解しなければ、私たち小規模事業者にとって今後”DX”によりもたらされる効果や影響がどのようなものなのか皆目見当がつきません。

ここでは、”DX”とはどのようなものなのか、小規模小売事業者にとってDXがどのような効果をもたらすのかを

・「DX」とは?
・なぜ、今「DX」が必要なのか
・「DX」で店の経営が変わる
・「DX」を進める上でのポイント

の観点から考えてみました。

関連情報 ⇒ まちの小売店にとってのDX

1 「DX」とは?

DXとは、”デジタルトランスフォーメーション”と訳され、

経済産業省では、

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジ タル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのも のや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

と定義しています。
よく似た言葉にデジタル化やIT化がありますが、これらはDX化を達成するための手段であって、DX化とはこれらの技術を駆使して様々な分野でこれまで培ってきたサービスなどあらゆる分野の業務を変革し、さらに競争で優位に立たなくてはならないというこです。

2 なぜ、今「DX」が必要なのか

1980年代から多くの企業をはじめとしてものすごい勢いでデジタル化・IT化が進みました。
その中でも、基幹システムと呼ばれるものについては、40年近くが過ぎた現在、それらは老朽化し、カスタマイズを重ねた結果、複雑化・ブラックボックス化し、システムの全貌が解明できなくなり、新しい事業展開に対応できない、保守・運用のための人材やコストがかさむといった問題が生じています。

2018年に経済産業省が公表した「D Xデジタルトランスフォーメーションレポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開」では、「DXが進まなければ2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性が高い」という旨の警告が発せられ、各企業などにおいては競争力の維持・獲得・強化を果たすことを目的にデータとデジタル技術によって商品やビジネス、業務、企業文化等の変革を成し遂げ、変化に柔軟に対応できる競争力を身に付けなければならないとしています。

3 「DX」で店の経営が変わる

DXの推進とは、一口で言えば、

デジタル化 ⇒ 効率化 ⇒ 新しい価値を創造

ということになります。

例えば、まちの小売事業者がこれまで、手作業で行っていた帳簿、在庫管理、売上票作成など紙ベースで行なっていた作業を

(1)デジタル化する
ソフトウエアーやITツールなどにより、自分の店の経営状況をデータ化する。

・これまで紙ベースでで行っていた帳簿類作成をオリジナルのデータベースを作成し、パソコンにより入力します。

<例>
■在庫管理、売上票、仕入れ票、収支決算表など
    ↓
(2)効率化が図れる
デジタル化されたデータにより集計・分析が容易にできる。

・顧客の好みの商品、時期による購買動向、売れ筋の価格帯などがデータにより明らかになり、仕入れ、在庫管理などこれまで漫然としていた商いの方向性が明確に見えるようになります。

<例>
■POSレジ導入により、販売から在庫管理、売上分析などまでを一元管理 

    ↓
(3)新しい価値を創造することができる
新しい戦略、新サービスなどを生み出すことができる。

・自分の店の経営を一部デジタル化することにより、空いた時間や人員を今後の集客や収益増を図るための戦略や新しいサービスなどを考える時間に振り向けられます。
このことにより、これまでの店の経営が刷新され、他店にくらべて優位に立てる可能性が高まります。

<例>
■LINE、アプリ,SNS、ホームページを使い、自分の店の商品情報を配信
■ECサイトの構築

4 「DX」を進める上でのポイント

(1) どの部分をIT化するのか
自分の店や事業所にとって現在の仕事の中で、「どの部分がこうなればより効率的になるのか」を決め、その中から「これだけはやりたい」ことを絞り込んで、先ずそこから着手するのが安全でしょう。
周囲の声に押されてやみくもにIT化を進めると、

 ①以前に比べて仕事の効率が落ちた
 ②自分の店や事業所には不向きである。
 ③想定外の費用がかかる。
 ④従業員がシステムを使いこなせない。
 ⑤システムを使いこなせるまで相当の時間を要する場合がある。

などのIT化の弊害が生じることがあるので、上記の5項目について十分検討し進めることが大切です。

5 まとめ

いま、世の中はデジタル化、IT化の話題で持ちきりです。その行先がDXになります。
また、コロナ禍を契機に消費者はなるべく人との接触を避けて物を買いたいたいという欲求が高まっています。
その反面、これまでのようにお店の人と会話を楽しみながら買い物をしたいという人も一定数いるのも事実です。
特に、商店街などのまちの小規模小売事業者にとっては、顧客とのコミュニケーションを何よりも大切にしてゆかなければなりません。
大切なことは、日頃の業務の中で、IT化により効率性を高める部分と顧客を大切にすることを分けて考え、ともに両立させて商いを行ってゆくことだと思います。

関連情報として次のリンクを掲げていますので、こちらもご覧ください。
  ⇒ まちの小売店にとってのDX


 

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