小売業界には業界ごとの協同組合が設立されていますが、現在、まちの小売店で組織するある組合では組員数の急減が続いています。
このまま行けば早晩組合運営が行き詰まります。
”数は力”と言いますが、一つの組織はそれを構成する構成員が多ければ多いほどその力を発揮することができます。
協同組合とは、
共通の目的をもった人たちが、その目的を達成するために組織した相互扶助組織で、協同組合がその目的に沿った事業を実施し、各組合員がこの事業を利用することによって、組合員の利益を増進することを目的とし、その原資は主に組合員からの出資金による。
と定義されています。
組合員の数が減ってくると、事業を行うにも人員と資金が足りません。
組合員の利益を増進するための事業なんてとてもできない状態に陥ってきます。
組合を維持してゆくだけで四苦八苦です。
組合員が増えない、あるいは組合を退会してゆく理由はありふれたものです。廃業する方は仕方ないにしても、会費を払ってまで入っているメリットがないというのが一番多い理由です。
組合員数を維持する方法は二つ。
組合に入ってるメリットを見出すか新規会員の勧誘。
どちらにしても組合としては組合員に「組合に入って良かった」と思ってもらえる何かをやらなければ組合員の退会は止まりません。
何をするのか。
組合員の利益になる事業を行うのが最もいいのですが資金がありません。
組合としてお金をかけずに組合員のためになる対処方法は本当に何もないのか。
組合自らが動くことで組合員のためになることがあります。
まず、組合員個々の悩み事、相談事を聞くことです。
売上不振、後継者不足、店の老朽化等々。
これらは個々の店主があまり外向けに相談することはしません。
組合はこれらまちの小売店の悩み事を地道に聞きます。そしてこれらを一つでも解決する方法を見出すためにあらゆる機関に足を運ぶ必要があります。
今、コロナ禍で、国や行政は中小商業団体、小規模事業者向けに補助金、給付金、有利な融資など様々な支援のための施策を打ち出しています。
組合は絶えずこれらの支援策の情報を収集し、困っている組合員に伝達し、支援策を取り入れられよう支援するなどしてゆけば、そのうちに組合員の信頼を得て、組合と組合員の絆が築けるのではないでしょうか。
コメントを残す