中小企業などへの補助金事業はどのようなものがあるか

コロナ禍による影響が徐々に薄まり、かっての日常が戻りつつあるとは言え、まちの小売店をはじめとして負った深手は中々癒えません。
こんな時に頼らざるを得ないのが国や地方の行政による手厚い支援、補助制度です。
今からでも間に合う支援や補助制度はどのようなものがあるのかを中小企業向け補助金総合支援サイト「ミラサポ」により、経済産業省、中小企業庁より発表されている支援・補助金制度をまとめました。

注)以下に掲げた情報は、2022年5月25日現在のものであり、時日の経過とともに変わることがあります。

1 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

人手不足等の構造変化に加え、働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等、複数年にわたり相次ぐ制度変更に対応するため、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者等の設備投資等、および一定数以上の中小企業・小規模事業者等の新規ビジネスモデルの構築を支援するプログラム経費の一部を支援します。

(1)対象者
以下の要件を満たす事業計画(3~5年)を策定し実施する中小企業・小規模事業者等
 ①付加価値額の年率3%以上向上
 ②給与支給総額の年率1.5%以上向上
 ③事業場内最低賃金を地域別最低賃金30円以上向上

(2)内容
中小企業・小規模事業者等が行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援

(3)補助上限額
 ①一般型:従業員数21人以上:1,250万円、6~20人:1,000万円、5人以下:750万円
 ②グローバル展開型:3,000万円
 ③ビジネスモデル構築型:1億円

(4)補助率
 ・一般型、グローバル展開型:中小企業2分の1、小規模事業者等3分の2
 ・ビジネスモデル構築型:大企業2分の1、大企業以外3分の2

特別枠の創設(詳細は下部記載のURLより公募要領をご確認ください)
【回復型賃上げ・雇用拡大枠】補助上限は一般型同額、補助率3分の2
【デジタル枠】補助上限は一般型同額、補助率3分の2
【グリーン枠】補助上限額最大2,000万円、補助率3分の2

(5)利用・申請方法
・公募期間中に補助金申請システム・Jグランツによる申請書提出
・外部有識者で構成される審査委員会において提案内容が審査され、採択先が決定
・補助金の交付決定通知後、試作品・新サービス開発、設備投資等を実施し終了後に成果を報告
・事務局による検査後、補助金を受給
・事業終了後5年間の成果を毎年報告

(6) 関連情報
ものづくり補助事業公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」
2022年度版中小企業施策利用ガイドブック

(7) お問い合わせ先
ものづくり補助金事務局サポートセンター(ものづくり・商業・サービス補助金事務局内)
電話:050-8880-4053

2 ものづくり等高度連携・事業再構築促進事業

複数の中小企業等が連携し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトや、新分野展開、業態転換、革新的な製品・サービス開発、生産プロセス等の改善に取り組むプロジェクトを最大2年間支援します。。

(1)対象者
以下の要件を満たす事業計画(3~5年)を策定する中小企業・小規模事業者等
・事業計画期間中(補助事業期間終了後3~5年間)に、付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)の同3.0%以上の増加 

(2)内容
複数の中小企業・小規模事業者等が連携して行う新たな付加価値の創造や生産性の向上を図る取組に必要な設備投資等を支援

(3)補助上限額
【1者当たりの基本補助上限額】
 ・従業員数 21人以上:2,500万円、 
 ・6~20人:2,000万円       
 ・5人以下 :1,500万円
 ※ただし、1連携体につき1億円が上限。
 ※事業再構築指針の要件を満たす事業計画に取り組む事業者が含まれる場合、補助上限額を1者当たり1,000万円加算。ただし、その場合でも、1連携体につき1.5億円が上限

(4)補助率
中小企業者・特定事業者2分の1以内、小規模事業者等3分の2以内

(5)利用・申請方法
・公募期間中に補助金申請システム・Jグランツによる申請書提出
・外部有識者で構成される審査委員会において提案内容が審査され、採択先が決定
・事務局から補助金の交付決定通知後、試作品・新サービス開発、設備投資等を実施し、終了後、成果を報告
・事務局による検査後、補助金を受給
・事業終了後5年間の成果を毎年報告

(6)関連情報
 2022年度版中小企業施策利用ガイドブック

(7) お問い合わせ先
 中小企業庁 技術・経営革新課
 Tel 03-3501-1816 Fax 03-3501-7170

3 IT導入補助金

【通常枠】
サービス業を中心とした中小企業、小規模事業者が、新たに生産性向上に貢献するソフトウェア等のITツールを導入する際に、補助を受けることができます。

【特別枠】
会計ソフト、受発注システム、決済ソフト等の導入を行う際には、高い補助率での支援を受けることができ、PC・タブレット、レジ等の導入も対象となります。

(1)対象者
中小企業、小規模事業者等(飲食、宿泊、小売・卸、運輸、医療、介護、保育等)

(2)内容

①補助率等
【通常枠】2分の1(上限450万円、下限30万円)
【特別枠】ITツール(※)補助額50万円以下 (補助率:3/4)
     同      補助額50~350万円 (補助率:2/3)
     PC、タブレット等補助上限額:10万円 (補助率:1/2)
     レジ補助上限額:20万円 (補助率:1/2)
(※)会計ソフト、受発注システム、決済ソフト等

(3)募集期間
 未定

(4)利用・申請方法
補助事業者(中小事業・小規模事業者)において事業計画を策定(詳しくは、公募要領が決まり次第、事務局のウェブサイトを参照)
①自分の事業エリアをカバーする、または改善に必要な業務に対応するITツールを取り扱っているIT導入支援事業者を決定
②IT導入支援事業者と相談しつつ、もっとも適したITツール等を決定
③IT導入支援事業者のサポートを受け、申請(電子申請)
④交付決定の通知後に、契約・導入の実施
⑤支払いまで完了後、完了報告を作成・提出

(5)関連情報
サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局(Webサイト)
2022年度版中小企業施策利用ガイドブック


4 小規模事業者持続化補助金(一般型)

小規模事業者等が経営計画を作成し、その計画に沿って行う販路開拓の取組等を支援します。

(1)対象者
常時使用する従業員が20人(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合は5人)以下の法人・個人事業主

(2)内容
小規模事業者が変化する経営環境の中で持続的に事業を発展させていくため、経営計画を作成し、販路開拓や生産性向上に取り組む費用等を支援

<取組例>
 チラシ作成、商談会への参加、店舗改装 等

(3)補助率
3分の2以内(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は4分の3以内)

(4)補助上限額
・50万円(通常枠)
・100万円(インボイス枠)
・200万円(賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業支援枠)

(5)公募スケジュール
令和4年3月22日(火)公募開始
第8回締切:令和4年6月3日(金)
※第8回受付締切後も申請受付を継続し、複数回の締切を設け、それまでに申請のあった分を審査し、採択発表を行います。

(6)利用・申請方法
通年で公募

(7)関連情報
 2022年度版中小企業施策利用ガイドブック

(8)お問合せ先
各地域の商工会、商工会議所

5 地方独自の補助金事業

上記に掲げた補助近事業は、現在国が公募しているものですが、各都道府県や市独自に地域の中小企業や商店街などを支援する目的で実施する事業もあり、これらについては各行政や商工会議所、中小企業団体中央会などからの情報を絶えず収集し、活用できるもがあれば応募してゆくことが大切です。

通年、公募されている地方独自の補助金事業は概ね次のようなものがありますが、各行政の財政事情もあり、毎年公募されるとは限らないものもあり、注意が必要です。

商店街振興を目的とした事業
 ・プレミアム付き商品券発行事業におけるプレミアム分の補助
 ・ポイント事業におけるポイント還元分の補助
 ・ハード面の整備に対する補助
 ・キャッシュレス・デジタル化推進に対する補助

②中小企業、中小小売商業者への支援を目的とした事業
 ・中小企業組合等の課題対応のための支援
 ・キャッシュレス・デジタル化推進に対する補助
 ・経営者や従業員向けの各種セミナー、研修会実施への補助

6 まとめ

国や各行政から相次いで出される支援策に積極的にエントリーし、ポストコロナに向けての再出発に備える時期になりました。
ただし、各補助金は言うまでもなく税金で賄われるものであることから、応募者は自らの経営状況を冷静に判断し、今後の経営計画を緻密に立て、その上で応募するにふさわしいかどうかを冷静に判断する必要があります。

国や地方自治体では、応募されてきた補助金交付申請書の内容について、交付される補助金が有効に活用されるのかどうかを判断するため、補助金交付申請時には申請者に対し、膨大な資料を要求し、有識者による厳密な審査を経て、交付の決定を行います。

また、めでたく交付決定を受けて事業を行った後にも、その結果報告やその後の当該事業における成果についても厳しく問われる場合もあります。

この時期、のどから手が出るほどほしい支援策ですが、特に国による補助金はその申請時から相当ハードルが高いものであるということを認識しておかなければなりません。