※このページの情報は2021年9月16日時点のもので、現時点では申請受付が終了している制度等があります!
コロナ禍が長引いています。昨年の今頃は、本格的に「アフターコロナ対策」を検討していた中小企業者も数多くありましたが、どうやらコロナとともに生きる「Withコロナ」対策に奔走しなければならなくなっています。
国や自治体はすっかり疲弊しきっている中小企業事業者向けに様々な支援策を打ち出しています。
ここでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、このままでは経営が立ち行かなくなる恐れがあるまちの小売店をはじめとした中小企業事業者の方々向けに、今、どのような支援策があるのかを探ってゆきます。
目次
1 国の支援策
(1)月次支援金
この支援金は、全国各地で相次いで出されている「緊急事態措置」・「まん延防止等重点措置」による影響を緩和する目的で、中小法人、個人事業者向けに設けられた支援制度です。
①支援金額
中小法人 20万円/月 個人事業者 10万円/月
②給付対象
緊急事態措置、まん延防止等重点措置による影響 により、直近1か月の売上が、2019年または2020年の同月に比べて50%以上減少している事業者
③申請前に登録機関による事前確認が必要
本申請を行う前に商工会議所、金融機関、税理士などの登録された機関により、所定の書類を添えて事前確認を受ける必要があります。
④申請方法
インターネットにより申請を行います。
独自のアカウントの取得申請を行い、IDを取得後、マイページから申請します。
⑤給付方法
緊急事態措置、まん延防止等重点措置による影響 がなくなるまで、月ごとに申請します。
(2)事業再構築補助金
⇒ 案内パンフレット
この補助金は、ポストコロナ、ウイズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編、又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。
①申請条件
(a)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している。
(b)2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること。
又は
(c)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること。
(d)2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して7.5%以上減少していること
②事業計画の策定
認定経営革新等支援機関や金融機関と事業計画を策定する必要があります。
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率が平均して3%以上増加している計画でなければなりません。
③補助額、補助率
<中小企業>
・補助額 100万円~従業員数に応じて8,000万円
・補助率 2/3 (6,000万円超は1/2)
※中小企業者等から中堅・大企業等へ成長する事業者向けの特別枠がある。
<中堅企業>
・補助額 100万円~従業員数に応じて8,000万円
・補助率 1/2 (4,000万円超は1/3
※大きな成長を目指す中堅企業向けの特別枠がある。
※ 事業再構築補助金には他に、上記の申請要件を満たしていることを条件に次の「特別枠」が設けられています。
(a)緊急事態宣言特別枠
緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1~8月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少していること
補助額
従業員数5人以下 :100万円~500万円
従業員数6~20人 :100万円~1,000万円
従業員数21人以上 :100万円~1,500万円
補助率
中小企業3/4
中堅企業2/3
(b)最低賃金枠
2020年10月から2021年6月までの間で、3月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること及び2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること
補助額
従業員数5人以下 :100万円~500万円
従業員数6~20人 :100万円~1,000万円
従業員数21人以上 :100万円~1,500万円
補助率
中小企業3/4
中堅企業2/3
(c)大規模賃金引上枠
補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること及び補助事業実施期間の終了時点を含む
事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること
補助額 従業員数101人以上:8,000万円~1億円
補助率 中小企業2/3 中堅企業1/2
④申請方法
申請は、電子申請となり「ID」の取得が必要です。
5回の公募を予定しており、現在は第3回目の公募中です。
(3) 小規模事業者持続化補助金
正社員が5名以下(製造業・建設業は20名以下)の中小企業・個人事業主が申請できる国の補助金です。
チラシ印刷・折込み・ポスティング、リーフレット、DM印刷・住所リスト作成・封入発送、ホームページ、ECサイト、ウェブ広告、店舗の内外装、感染防止のための費用など幅広い用途に使えます。
この補助金には「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」の2種類があります。
①一般型
小規模事業者等が「経営計画」を策定して取り組む販路開拓等の取組を支援するもので、商工会議所が申請受け付け窓口になっています。
(a)補助対象
店舗改装、チラシ作成、広告掲載など、小規模事業者が販路開拓などに必要な取り組みが対象となります。
(b)補助金
補助額:上限50万円
補助率:2/3
②低感染リスク型ビジネス枠
小規模事業者等がポストコロナ社会に対応したビジネスモデルの転換に資する取組や感染防止対策費(消毒液購入費、換気設備導入費等)の一部を支援するものです。
(a)補助対象
対人接触機会の減少を目的としたテイクアウト・デリバリーサービス導入、ECサイト構築など、主に飲食店などが使いやすい補助金です。
(b)補助金
補助額:上限100万円
補助率:3/4
③申請方法
7回の公募が予定されており、現在、一般型の第6次公募が10月1日を期限として行われており、低感染リスク型ビジネス枠は第4次公募が11月10日期限で行われています。
<申請先及び問い合わせ先>
申請先及び問い合わせ先は 「日本商工会議所小規模事業者持続化補助金事務局」ですが、直接の窓口は、各所在地の商工会や商工会議所になります。
(4) 他の助成金、貸付制度、給付金等
上記の補助金の他に、国では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、売上の急減等により事業の運営に支障をきたしている事業者のために様々な助成金、給付金、貸付制度などが用意されています。
主だったものは次の通りです。
詳細はそれぞれのリンクをご覧ください。
2 自治体の支援策
ここでは、京都府の支援策をご紹介します。
(1) 危機克服緊急連携支援補助金
新型コロナウイルス感染症拡大の影響の長期化によって、売上減少など事業継続の危機に瀕する企業等が、深刻な局面を打開するために連携して行う新たな事業に要する費用の2/3を補助します。
(2)中小企業事業引継ぎ支援事業補助金
長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、事業継続が難しく、事業譲渡や廃業・縮小等を余儀なくされる京都府内の中小企業者を、地域の商品・サービスの供給継続など社会的な使命の観点により引き継ぐ中小企業者に対し、円滑な経営統合等に要する経費を支援します。
(3)多様な働き方推進事業費補助金(テレワークコース)
人材確保・定着の促進を目的として、仕事と生活の両立に向け、テレワークの導入及び利用促進に取り組む中小企業者等に対し、その経費の一部を助成するものです。
(4)多様な働き方推進事業費補助金(子育てにやさしい職場づくりコース)
人材確保・定着の促進を目的に、従業員の仕事と生活の両立に向け「多様な働き方」を推進する中小企業等に、その費用の一部を助成するものです。
(5)中小企業等再起支援補助金
中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者(時短要請協力金対象事業者除く)で売上高が 30%以上減少している方を対象に、感染防止対策や事業継続のための取組等の経費の一部を補助
するものです。
(6)他の助成金、貸付制度、給付金等
詳細はそれぞれのリンクをご覧ください。
3 まとめ
現在、中小企業者等が活用できる国や自治体が打ち出している補助金などを見てきましたが、内容を細かく見てゆくとかなり手厚い支援策だと感じます。一方で申請にはほとんどがWebによる申請になっていることや準備しなければならない資料が多く、準備段階でかなり時間を要するものがあります。
さらに、申請を希望する方々は、インターネットの使用に不慣れな方も多く、また、ものによっては将来を見越した経営計画などの作成など専門家の知恵を借りなければ申請がおぼつかないものも見受けられます。一人では無理と判断した場合は即座に専門家に委ねるのも一つの方法だと思います。
融資策や各種給付金制度などでは、普段では考えられなうような緩い条件での制度になっています。こちらも積極的に活用し、近い将来の最出発のための糧にしていただければと思います。
今回は、中小企業向けのコロナ対策としての支援策に限って見てきましたが、国や自治体の関係部局のホームページもっと探せば、コロナに関係なく今でも活用できそうな様々な支援制度がたくさんあります。ぜひチャレンジしましょう。
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